世界で最も美しい謎 縄文時代に迫るドキュメンタリーが7月公開
2018年2月27日 18:30
[映画.com ニュース]“世界で最も美しい謎”と称される縄文時代をテーマにしたドキュメンタリー映画「縄文にハマる人々」が、7月上旬に公開されることが決定した。「死なない子供 荒川修作」の山岡信貴が監督を務め、いとうせいこうが出演するほか、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のコムアイがナレーションを担当している。
宇宙人地球飛来説を裏付けるかのような奇妙な造形物など、数々の謎が残る縄文時代。今作は縄文研究に情熱を燃やす専門家らに約5年間の取材を敢行し、その謎の核心へと迫っていく。
「死なない子供 荒川修作」では、比類なき難解さとスケールで知られる現代美術家・荒川修作氏を解析した山岡監督だが、縄文時代に対しては「縁も興味もなかった」という。しかし5年間、100カ所にも及ぶ取材や数1000の土器土偶に向き合った日々から「縄文を知れば知るほど人間の可能性の広がりを実感できた」と語り、「人類としては全く同じ性能を持つ21世紀の私たちと縄文人が、これほど違った文化を作り上げ、それぞれがそれぞれに成立しているのであれば、私たちにも縄文人にも想像できないような、全く違う世界を作り上げるポテンシャルが人間にはあるのだ、という深い希望を感じます」と力強く話した。
そしてナレーションのコムアイは、山岡監督の「数1000年を自在に行き来する声は、この人しかいない」という強い要望を受け決定。独自の音楽性と哲学を持つが、「縄文なんて前すぎてよくわからないので、ファンタジーの世界になってるんですね、現代の私たちにとって。過去に未来を投影することは、人間の不思議な癖ですね」と述べた。またエンディングテーマには、「森は生きている」の代表曲「煙夜の夢」が使用され、観客を時を超えたクライマックスへと導いていく。
さらに出演には、いとうのほか縄文研究の第一人者である小林達雄氏、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏、人工生命研究で知られる池上高志氏ら、考古学の枠にとどまらない多彩な顔ぶれがそろった。いとうは「縄文は、ギャル度が普通じゃない!」と、ユニークなコメントを寄せている。
なお東京国立博物館では、縄文時代の国宝6点が初めて一堂に会す特別展「縄文―1万年の美の鼓動」が7月3日~9月2日に開催。“縄文ブーム”の沸騰なるか、期待が高まる。「縄文にハマる人々」は、7月上旬から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでモーニング&レイトショー上映され、愛知・名古屋シネマテーク、大阪シネ・ヌーヴォほか全国順次公開される。