“アウトレイジ軍団”が大杉漣さん追悼 最期みとった松重豊「これからも見守って」
2018年2月26日 06:00

[映画.com ニュース] ビートたけしが審査委員長を務める「第27回東京スポーツ映画大賞」の授賞式が2月25日、都内のホテルで行われた。たけしは、「わがままを言ったわけじゃなくて、今年(2017年)は不作で『アウトレイジ』が残った」と講評し、自身(北野武)が監督した「アウトレイジ 最終章」が作品、監督、主演男優、助演男優、新人賞の5部門を制覇した。
助演男優賞は、今月21日に急性心不全で急逝した大杉漣さん(享年66)が大森南朋、ピエール瀧、松重豊、金田時男とともに受賞。たけしは24日に司会を務めるTBS「新・情報7days ニュースキャスター」の生放送で、「早いよね。自分に近い人の死はこたえるね。相棒がいなくなったような寂しさがある。自分の映画を支えてくれた人だから」と涙ながらに語っただけに、この日は多くを語らず「大杉さんは亡くなっちゃったけれど、皆が素晴らしいから1人を選ぶと他の人が抜けてしまう。だったら、皆を表彰しちゃえってこと」と受賞者を称えた。
大杉さんが、出演のテレビ東京のドラマ「バイプレーヤーズ もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら」を撮影中の20日に腹痛を訴えたグループLINEにいち早く気づき、病院に付き添って最期をみとった松重は「北野映画に出させてもらって、こんな華やかな舞台に立てることを千葉の海で話していたのに…」と沈痛な面持ち。それでも、ドラマが最終回まで放送されることが正式に決まり、「漣さんは湿っぽいことが嫌いなので、前を向いていこうと思う。漣さん、これからも僕たちを見守ってください」と気丈に語った。
大森も、「漣さんと一緒に頂いたことを誇りにして生きていきます」と宣言。主演男優賞の西田敏行も、「戦友を失い、とてもつらい。突然に逝(い)ってしまうのは漣ちゃんらしいけれど、人間の死は寿命だと思うようにしないと納得できない」と唇をゆがませた。
同じく主演男優賞の塩見三省は、脳出血からのリハビリを経て同作で映画復帰しての受賞だけに、「きょうのこの日を、これからの人生で何度も思い出すでしょう。これを機に、また俳優、映画というものに近づいていきたい」と感慨もひとしおの様子。そして、「大杉、俺はこんな体だけれど、もうちょっとこっちにいるわ」と天国の大杉さんに呼びかけた。
なお、主演女優賞は「散歩する侵略者」の長澤まさみ、助演女優賞は「三度目の殺人」は広瀬すずと斉藤由貴がそれぞれ受賞。また、「第18回ビートたけしのエンターテインメント賞」は日本芸能大賞が明石家さんま、綾小路きみまろ、島田洋七、日本芸能賞がブルゾンちえみ、ゆりやんレトリィバァ、特別賞が葉加瀬太郎、功労賞が小室哲哉、葛西紀明、話題賞が元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛、元横綱の日馬富士と貴ノ岩、豊田真由子元衆院議員にそれぞれ贈られた。
フォトギャラリー
関連ニュース






「世にも奇妙な物語35周年SP」放送ラインナップ5本のあらすじ・キャストまとめ 織田裕二主演の“幻の名作”「ロッカー」、木村拓哉「BLACK ROOM」など
2025年5月31日 11:00
映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント