ベルリン発アジア映画の新たな祭典に大きな意義 市山尚三、キム・ギドクらが参加
2018年2月25日 07:00

[映画.com ニュース] ベルリン国際映画祭開催中の2月21日(現地時間)、今年2回目を迎えたエイジアン・ブリリアント・スターズのセレモニーが同地で開催された。
このイベントは、アジア映画の才能を世界にアピールすることを目的とし、世界中から映画人が集まる三大映画祭のひとつ、ベルリンの時期に開催を合わせている。またアジアの業界関係者を招聘して共同製作や出資をプロモートするほか、アジア映画に興味を持つ世界の映画人に対してコネクションを繋げていく狙いもある。
昨年の第1回は、中国映画主体という印象を受けたが、今年は日本、東南アジア、中東など、より幅広い範囲に広がった。約20本のアジア映画を対象に、審査員メンバーにより監督賞、プロデューサー賞、脚本賞、男優・女優賞、ニュー・アジアン・アイコン賞、審査員特別賞が選ばれる。
毎年変わる審査員は今回、日本からジャ・ジャンクー作品のプロデューサーで東京フィルメックスのディレクターでもある市山尚三が参加したほか、キム・ギドク、ドイツの俳優モーリッツ・ブライブトロイら計6人。約30本のプレ・セレクションを経て、最終的に19本の候補作のなかから授賞が決められた。
日本映画の対象になったのは、「三度目の殺人」「忍びの国」「家族はつらいよ2」の3本。授賞には絡まず、最優秀作品にはイスラエルのサミュエル・マオズの「フォックス・トロット」、男優賞は「修羅 黒衣の反逆」のチャン・チェン、女優賞には「Bad Genius」のチュティモン・チュンチャルーンスクインが輝いた。
市山氏は、「アジア映画の大きなセレモニーはあまりなく、香港アジア・フィルム・アワード、オーストラリアのアジア太平洋映画賞に続きこれが3つめ。とくにヨーロッパにアジア映画やアジアの才能をアピールする点では、とても重要だと思います」と語る。ただその一方で「さまざまなタイプの映画が取り上げられてはいるものの、対象作の選び方にまだまだ偏りがあるという印象を受けました。日本映画で言えば、もっと他の作品も候補に入れれば受賞の可能性はあったのではないかと思えました」と見解を示した。そのあたりは今後の課題と言えそうだ。
SABU監督作「Mr. Long ミスター・ロン」に主演したチャン・チェンは、「賞を頂けたのはとても光栄だし、嬉しい。このイベントはアジアの映画人の連帯を強めるいい機会だと思います。とくに日本には僕が尊敬する映画人がたくさんいるし、日本映画にはこれからも積極的に参加したい」と語っていた。(佐藤久理子)
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