ピクサー新作「リメンバー・ミー」監督、アカデミー賞よりも大切なことは?
2018年2月21日 18:00

[映画.com ニュース]ディズニー/ピクサーの新作「リメンバー・ミー」の会見が2月21日、東京・日比谷のペニンシュラ東京で行われ、来日中のリー・アンクリッチ監督、エイドリアン・モリーナ共同監督、日本語吹き替え版声優を務めた石橋陽彩(ミゲル役)、藤木直人(ヘクター役)、松雪泰子(イメルダ役)が出席した。
「モンスターズ・インク」「トイ・ストーリー3」のアンクリッチ監督が、1年に1度だけ他界した家族に会えるメキシコの祝日“死者の日”を題材に約6年がかりで紡いだ、笑いと感動のミステリーアドベンチャー。一族のおきてで大好きな音楽を禁止されたギター少年ミゲルが、伝説的ミュージシャンのギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい死者の国へと迷いこみ、冒険するさまを描く。
第75回米ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞を獲得したほか、第45回アニー賞では11部門を制覇するなど、“ピクサー史上最高傑作”の呼び声も高い。残すは日本時間3月5日発表の第90回アカデミー賞(長編アニメーション賞&主題歌賞)のみだが、受賞への自信を問われたアンクリッチ監督は「『トイ・ストーリー3』で受賞した時は最高の気分。人生で二度と起きないのではと思いつつ、感謝の気持ちでいっぱいでした。この作品でまたノミネートされ、想像を超える出来事です。受賞した数々の賞は、何100人もの思いや力が反映されてのこと。彼らのために嬉しいですし、受賞できればとても嬉しいです」と穏やかな笑みを湛えながら述べる。そして、何よりも重要なこととして「賞も素晴らしいですが、私たちに重要なのは作品を完成させ、世界の皆様にお届けしたこと」と語り、「何世代にもわたって家族の方が見て、残っていくことが重要だと思います」と願いを込めていた。
さらにアンクリッチ監督は、今は亡き父に思いを馳せる。「作品をつくっている間、気がかりだったことは、年を重ねた父が完成を見られないのでは、ということ。アメリカで公開された際には、体が弱っていて劇場に足を運ぶことができなかったので、僕が訪ねて1週間ほど時間を過ごし、今まで聞いたことのなかった父の物語を聞きました」と振り返り、「今作をラップトップで見せることが出来ました。その数日後に父は亡くなりました。一生忘れられない瞬間でした。この作品をきっかけに、メキシコの祭壇を家に設けました。今度の死者の日に、父の写真を飾るのを、今から楽しみにしています」と瞳をうるませていた。
また壇上では、アンクリッチ監督&モリーナ共同監督のプレゼントとして、石橋と藤木が主題歌「リメンバー・ミー」を生披露。一方の松雪は、マリーゴールドで彩られたギターを手渡し、歓迎と感謝の意を示していた。「リメンバー・ミー」は、3月16日から全国で公開。
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