二階堂ふみ&吉沢亮「リバーズ・エッジ」引っさげベルリン映画祭に登場!
2018年2月16日 19:00
[映画.com ニュース] 第68回ベルリン国際映画祭が開幕した2月15日(現地時間)、行定勲監督の「リバーズ・エッジ」がパノラマ部門のオープニング作品として上映され、行定監督とともに主演の二階堂ふみ、吉沢亮が現地入りを果たし、大きな注目を集めた。
行定監督にとってベルリン映画祭への参加は、同じくパノラマ部門に出品した「GO(2001)」から数えて5度目。同部門は伝統的にコアなファンを擁し、近年はLGBTQ映画やレイシズムをテーマにした作品にも力を入れるなど、その特色を増している。そんななか、今回オープニング作品に選ばれたことについて、行定監督は「まさかオープニングとは思わなかった。映画祭にとっても(こうした内容の作品を選ぶことは)勇気ある選択だと思いました」と喜びを露わにした。
レッドカーペットに登場した3人は、無数のフラッシュがたかれるなか、笑顔で対応。UNDER COVERのドレスに身を包んだ二階堂は、「すごい盛り上がってて、ベルリンに来ることが出来たということを実感していて、とても感動しております。若い世代と、今まで色んな映画を作り続けてこられた世代の方、みんなで作った映画なので、魂のぶつかり合いのようなものを感じていただけたらいいなと思ってます」、吉沢は「僕は、映画祭自体というものが初めてですし、街全体の活気もすごくて、楽しい経験をしているな、と思ってます。キャストもスタッフも全員魂を削りながら撮った作品なので、本当にたくさんの方々に見ていただきたいです」と熱く語った。なお、この日は3回上映があり、そのうちの2回でゲスト3人がQ&Aに参加した。会場はほぼ満席となり、終映は深夜にも拘らず、熱心に最後までトークに聞き入る観客が目立った。
上映前に舞台挨拶に立った行定監督は、「この原作は1994年当時、東京のクリエイターたちに多大な影響を与えた漫画です。そして翌年、日本では関西大震災(阪神・淡路大震災)が起こり、さらにオウム真理教の地下鉄サリン事件が起こり、カオス、変革の時期を迎えます。これはその前夜に少年少女たちがどんなことを感じていたかを描いたものです」と時代背景を説明。「今日が海外の観客の方に初めて見ていただく機会なので、とても緊張していますが、上映後のQ&Aを楽しみにしています」と語ると、会場は拍手に包まれた。
上映終了後、行定監督に続いて二階堂と吉沢が舞台に上がると、会場にはさらに歓声と拍手が響いた。初めて漫画の原作を映画化した理由を問われた行定監督は、「僕らの青春時代に神格化されていたような原作を映画化することは非常に勇気のいることでしたが、二階堂ふみから言われ、いま日本でわかりやすい映画が多い時代に、若い人たちにショックを与えるようなものになるんじゃないかと思い、背中を押されるような感じで引き受けました」と語った。
また司会者から役作りについて尋ねられた俳優たちは、二階堂が「今回はあまり考えず、そのまま現場に行ってどういう風にその場を生きるか、ということがすごく大事でした」と語ると、吉沢も「現場に入る前に2回ぐらいリハーサルで役について話し合いをしましたが、現場ではどう生きるかだけを考えていました。監督からは生命力を試されているな、と感じました」と答えた。
一方観客からは、「若い俳優の方々は監督と世代が違うが、90年代をどのように見ているか」という質問も。二階堂が、「わたしはずっと60、70年代に憧れを抱いていて、あの時代の尖ったストイックな時期に生まれたかったなと思っていましたが、この作品をやって、あらためて90年代に生まれて良かったと思えるようになりました」と答えると、吉沢は「僕は90年代をほとんど覚えていませんが、この映画に関していえば、話題性やファッションは違っても、根本的なところにあまり違いはないのかなと思いました。たとえば高校生が消化しきれないエネルギーのはけ口が、この時代だったらセックスやドラッグやバイオレンスだけど、それが今はSNSなのかなと。はけ口が違うだけなのではないか、と思いながら演じていました」と語った。
さらに会場には、13年に「私の、息子」でベルリン金熊賞に輝いたルーマニアの女性プロデューサー、アダ・ソロモンが来場し、映画内の親の不在について質問をするなど、行定作品に関する業界の注目度の高さがうかがえた。(佐藤久理子)
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