現代の“グレイテスト・ショーマン”、ヒュー・ジャックマンを突き動かす信念とは?
2018年2月16日 17:00

[映画.com ニュース] 現在ハリウッドでもっとも才能あふれる俳優のひとりであるヒュー・ジャックマンが、「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた実在の興行師P・T・バーナムを演じたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」が完成した。ジャックマンが、7年半にわたり情熱を注ぎ続けた今作について語った。
映画は、主人公バーナム(ジャックマン)が、さまざまな個性を持つ人々と唯一無二のショーを作っていくさまを描いたオリジナルミュージカル作品。ジャックマンは、リスクを承知の上で今作を“ミュージカル”として製作することにこだわった。「1番好きな映画は『雨に唄えば』。ハリウッドがミュージカル映画をもう作らないことが残念だったし、もし1950年代に生まれていれば……なんて思っていたよ。でも、バズ・ラーマン監督が『ムーラン・ルージュ』を製作したとき、またこういうオリジナルミュージカルがやれるんじゃないかと思ったんだ」
その願いは、ジャックマンが「彼なしでは今作は完成させられなかった」というほど信頼を寄せるオーストラリア出身の若手監督マイケル・グレイシーとの出会いで、実現へと大きく前進する。「マイケルは今作で長編デビューしたんだけれど、そういう野心的な人物が必要だったんだ。CMやMVの世界で有名な一流監督だった彼は、長編映画を撮ることを渇望していて、今作のために製作スタジオのトップやプロデューサーたち、音楽監督や俳優たち、あらゆる人に45分間のプレゼンを1000回もやってのけたよ。彼が裏のバーナムなんだ」
そんなグレイシー監督とは「親友」と呼ぶほど仲を深めたという。「いつも『君は見せびらかしすぎだよ』ってからかわれているよ」と笑うジャックマンは、製作前に行ったワークショップでの“流血事件”を教えてくれた。
「鼻に皮膚がんがあったから、どうしてもワークショップの前日に手術しなくちゃいけなくて、80針縫ったんだ。医師に絶対に歌うなと言われたから、仕方なくみんなに代役が歌うことを伝えたんだけど、序盤のセリフは自分で言ったんだ。そしたら1行だけ歌おうと思い始めて、ついには全部歌っちゃったんだよ(笑)! 最後に血が顔を伝っているのに気が付いて、結局傷は縫い直しさ。でもその甲斐はあった。そのワークショップで製作にゴーサインが出たんだからね! すごくショービジネス的な瞬間だったよ。もちろん計画的ではないけど、マイケルは『また演出したんでしょ』って言っていたね(笑)」
ミュージカル映画の要となる音楽を担当したのは、「ラ・ラ・ランド」の楽曲の作詞を手掛けたベンジ・パセックとジャスティン・ポールのコンビだ。今作の企画が立ち上がった当時、まだ無名だった2人をグレイシー監督がブロードウェイで見つけてきたという。FOXスタジオが、「オリジナルのミュージカル映画を作るなら(音楽には)有名人を起用するべき」という方針を提示してきたため、グレイシー監督は無謀な賭けに出た。
「ベンジとジャスティンが最初に書いた『A Million Dreams』をスタジオにプレゼンするときに、マイケルが『この2人はブロードウェイですごく有名なんですよ! トニー賞を受賞しています』ってでたらめを言ったんだ。そしたら『そうなんだ。じゃあオーケー』って(笑)。でも本当に、有名アーティストがどんな曲を書いてきても、2人は毎回それを上回ってきた。僕たちと仕事し始めて1年半後に彼らは『ラ・ラ・ランド』に起用されて、舞台『ディア・エバン・ハンセン』でトニー賞を受賞したんだ」
今作のサウンドトラックアルバムは、米ビルボード・アルバム・チャートで1位を獲得。キアラ・セトルが歌う「This Is Me」は第75回ゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞し、第90回アカデミー賞主題歌賞にノミネートされている。ジャックマンのお気に入りの楽曲もやはり「This Is Me」だ。「キアラがキャスティングされる前にこの曲を聞いて、あまりにもいい曲だったから、その時オーストラリアでやっていたアリーナショーで歌ったんだよ。映画が公開されたらもう歌えなくなるから、絶対に歌いたかった。一晩だけでいいから僕の曲にさせて! という思いで歌っちゃったんだ(笑)」
ハリウッドでの実現は難しいと言われ続けたオリジナルミュージカル映画を完成させ、その喜びを表すように、ときには立ち上がってシーンを再現しながらインタビューに答えたジャックマン。誰もが認める実力と人気を兼ね備えたスターが、今作を製作することで自らの“限界”を超えることができたと明かしてくれた。
「2017年は、ハリウッドで“賢い”といわれる人たちが『やらない方が良い』というプロジェクトに取り組んだよ。今のキャリアがあればリスクを背負う必要はないと言われながらね。ただでさえミュージカル映画があまり作られない時代なのに、もし今作が失敗してしまったらもう2度と作られなくなってしまうかもしれない。でもそんなとき、バーナムに勇気をもらったんだ。信じるものがあるなら突き進めとね。例えそれが失敗に終わっても、それはそれでいい。安全なことばかりを求めたり、失うことを恐れてばかりいるのは僕の生きる道じゃない。特にこの2~3年、僕には信念がある。リスクがあっても、自分を信じて突き進むことだよ」
挑戦することを忘れない現代の“グレイテスト・ショーマン”は、次はどんなパフォーマンスで世界を驚かせてくれるのだろう。期待は高まるばかりだ。

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