夏木マリ「生きる街」榊英雄監督の執念深き演出に「涙も枯れました」
2018年2月1日 22:30

[映画.com ニュース] 歌手、俳優、演出家など多方面で活躍する夏木マリが2月1日、東京・飯田橋の神楽座で行われた「生きる街」の完成披露試写会に出席。メガホンをとった榊英雄監督とともに、上映前の舞台挨拶に臨んだ。「いない人を愛するとはどういうことなんだろう? (撮影期間は)愛について考えた2週間でした」と述懐した夏木は「故郷や家族を思い出すような良い映画ができたと思います」と仕上がりに自信をにじませていた。
夏木が約10年ぶりに映画主演を飾った本作は、東日本大震災から5年以上の時を経て、未来を信じながら変遷していく人々と街の姿を残すべくスタッフ・キャストが結集し、宮城県石巻市で撮影された。共演には韓国の実力派ロックバンド「CNBLUE」のギター&ボーカルを務めるイ・ジョンヒョンが名を連ね、日本映画初出演を果たしている。
夏木とは「新 仁義なき戦い 謀殺」や、ドラマ「夜行観覧車」で俳優として共演している榊監督。オファーの経緯を問われると「夢の中に夏木さんが出てきたんです。妖怪の姿で(笑)」とジョークを飛ばしてから「今の佇まいを含め、エッジの効いた大先輩。だからこそ“普通の女性”を演じてもらったらどうかなと思いました」と語ると、夏木は「初めて聞きました」と驚くばかり。2011年3月11日を境に人生が一変する女性・千恵子を演じる際には「決定的に違うのは、私が震災に経験していない部分。そこが一番の悩みどころでしたが、事実と向き合って明るく生きていく人物だったので、演じる事ができるかしらと思ったんです」と考えていたようだ。
「方言は俳優にとって、一番時間がかかる作業。本作でもかなり時間を割きました」「民宿に2週間泊まって、勤めている方にも色々なお話を伺うこともありましたね」と等身大の女性を演じるために徹底した役づくりを行った夏木。「監督は俳優でもあるので、(芝居を)ほっといてくれるところは、良い意味で全部丸投げ」と明かしつつ「しつこいところは何回も何回も、涙が枯れるまで撮り直すんですよ。この人は本当にしつこい人だなと思いました」と振り返った。そして「そういう芝居のシーンはカットされてますけど。4分の1くらいは映ってますよ(笑)」と暴露して、客席の笑いを誘っていた。
榊監督が、タイトルに「何処の街でも踏ん張って“生きる”ところが、自分にとってのベストな場所」「街自体が“生き続ける”」という二重の意味を込めたことを説明すると、その言葉を受けて夏木は「生きているということは、死ぬまで答えがでないんですよね」と切り返した。「千恵子さんを含め登場人物全員が震災を経験して、答えのない時を送っている。でも、明日に向かって生きていかなきゃいけない。人間の“生きる”ということは死ぬまでわからないということを、私はこの映画で勉強しました」と思いの丈を述べていた。
「生きる街」は、3月3日から東京・新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペース、宮城・イオンシネマ石巻ほか全国順次公開。
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