片山萌美&大野いと、谷崎潤一郎ワールドでの体験を告白 でんでんは“エロ爺”宣言!?
2018年1月24日 08:00
[映画.com ニュース] 文豪・谷崎潤一郎の短編小説を実写化した「神と人との間」「富美子の足」「悪魔」の完成披露上映会が1月23日、東京・テアトル新宿で行われた(本編上映は「悪魔」のみ)。3作の映像を組み合わせた予告編がスクリーンに流れた後、「神と人との間」の渋川清彦、内田慈、内田英治監督、「富美子の足」の片山萌美、淵上泰史、でんでん、ウエダアツシ監督、「悪魔」の吉村界人、大野いと、前田公輝、藤井道人監督が舞台挨拶に立った。
年齢もキャリアも異なる3人の映画監督が、人間の業ともいえるマゾヒズムやフェティシズムを凝縮した物語を原案に、現代劇としてよみがえらせた「谷崎潤一郎原案/TANIZAKI TRIBUTE」シリーズ。谷崎の実体験「細君譲渡事件」をもとにつづった「神と人との間」の内田監督は、渋川と内田が共演した「下衆の愛」を振り返り「撮影当時、渋川さんが『(内田が演じる)響子が好きなんだよ』と言っていたのを覚えていて。この2人の物語をやってみたいと思った」とキャスティングの裏話を明かしていた。
片山は足への異常な偏愛をテーマにした「富美子の足」で、でんでん&淵上から足を舐めまわされるという過激なシーンに挑戦した。芝居の感想を問われて「気持ちいいものではないですよね(笑)。今後一生ない体験だと思う」と苦笑すると、でんでんは「私は右足担当。右にいた方が芝居がやりすかったかな。(渕上は)上手に舐めていました」と発言して場内の笑いを誘っていた。「映画を見ていただければわかるんですが、でんでんさんあっての『富美子の足』」と信頼をのぞかせたウチダ監督は「現場でディスカッションするなかで色々アイデアを出していただき、非常に助かりました」「“自然に嫌がる”片山さんの表情を引き出せた」と語っていた。
高校生ながら不思議な色気と魅力で男を惑わす女性を「悪魔」で演じた大野は「私とは正反対な役柄だったので、悩むところが多かったです」と告白。「二重人格の女の子やカルト宗教の鍵を握る人物を演じたことはあるんですが、男の人が絡んでくるという点では、初めての役でした」と新境地を開拓したようだ。「サラバ静寂」(1月27日公開)、「モリのいる場所」(5月公開)も控える吉村は「(原作が発表されてから)約100年越しに、当時の文化を新しいものに変えられたことを誇りに思っています。素晴らしい監督に出合えてよかったです」と藤井監督とのタッグに充実の表情を見せていた。
この日は68歳の誕生日を迎えたでんでんに“富美子の足”がそそり立つ特注のバースデイケーキがプレゼントされるひと幕も。片山からケーキを食べさせてもらい「今日が誕生日でよかったです」と喜びを爆発させたでんでんは「これからますます“エロ爺”になって、芸の肥やしにしたいと思います!」と高らかに宣言していた。
「神と人との間」は1月27日、「富美子の足」は2月10日、「悪魔」は2月24日より東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開。