クリストファー・ノーランがスタンリー・キューブリックに聞いてみたい質問とは?
2018年1月2日 10:00
[映画.com ニュース]アカデミー賞のノミネート発表を間近に控え、70ミリプリント版「ダンケルク」が全米50館のIMAX劇場で再上映されるにあたり、同作でメガホンをとったクリストファー・ノーラン監督がプロモーションのため米MTVのポッドキャスト「Happy Sad Confused」に出演。自ら大ファンだと常々公言している巨匠スタンリー・キューブリックにまつわる質問に、ノーランらしい興味深い回答が飛び出した。
キューブリック監督と聞けば、たいていの人は「2001年宇宙の旅」(68)や「時計じかけのオレンジ」(71)、「シャイニング」(80)といった映画史に残る傑作の数々を思い浮かべるはず。だが、「キューブリック監督ご本人に会って、1つだけ質問することができるとしたら、何を聞きますか?」と尋ねられたノーラン監督は、「『アイズ ワイド シャット』をどう仕上げたか聞いてみたい」と即答し、司会を務めるジョシュ・ホロウィッツを驚かせた。
「アイズ ワイド シャット」は、当時実生活でも夫婦だったトム・クルーズ&ニコール・キッドマンを主演に迎え、ある夫婦の愛と性をめぐる心の相克を冷徹に映し出したシリアスドラマ。完成直後の1999年3月7日、心臓発作のため死去したことで、キューブリック監督の遺作として知られる。
「確かキューブリック監督は、スコアリング作業を終える前に亡くなったんだよね。彼が思い描いていた通りの映画に仕上げようと、スタジオが最善を尽くしたことは評価するけど、僕自身の経験から、スコアリングが最後にくる工程だと知っているだけに、惜しくてならない。本当に些細で表面的な、技術的あらに過ぎないとはいえ、キューブリック監督が生きていれば、もっと完璧な映画に仕上げてくれたはずだと思うからね」と理由を説明したノーラン監督。さらに、「最初に見た時は、正直期待はずれだと感じたし、あまり好きな作品ではなかった」と明かした上で、その後何度か繰り返し見るうち、「真に偉大な傑作」だと確信するようになったと語った。