戸次重幸「エキストランド」撮影中に妻が破水「とんでもないイベントだった」
2017年11月11日 22:20
[映画.com ニュース] 「神奈川芸術大学映像学科研究室」「東京ウィンドオーケストラ」で注目を集めた新鋭・坂下雄一郎監督の新作「エキストランド」が11月11日、東京・渋谷ユーロスペースで封切られ、坂下監督をはじめ主演の吉沢悠、共演の戸次重幸、前野朋哉、金田哲(はんにゃ)が舞台挨拶に出席した。
大失敗から映画を撮れなくなったプロデューサー・駒田(吉沢)が、映画で地元を盛り上げたいえのき市の人々を騙し、自分のためだけに製作を画策。横暴な要求に言われるがままの市民たちだが、一矢報いようと前代未聞の計画を企てる。戸次は開口一番「謝りたい。キャストの衣装の統一感のなさ!」と叫び、映画Tシャツを着た前野&金田に対し「100歩譲って金田くんはいいわ。あんた(前野)作品で着てなかったでしょ! ずっとワイシャツだったでしょ」とまくし立てて場内を沸かせた。
さらに印象深いシーンを問われ、冴えない映画監督役の戸次は「田んぼで、エキストラさんが2人しか残らなかったシーン。あの引きの画がたまらなく好きで、直後の僕のセリフを笑わなく言うのに必死だった」と回答。撮影は約1年前に行われており、吉沢が「あの日、子どもが生まれるかどうかの瀬戸際でしたよね」と水を向けると、戸次は「長野で撮影していて、妻(市川由衣)から『破水した』と連絡が来た。その日中に帰らないと、となったんですが……」と言葉を濁した。
これを受け、同シーンで対面していた前野は「あんなに緊張して芝居したことなかったです」と苦笑し、「ナイトシーンで、終電が8時台。NGをあまり出せない状況で、現場で誰よりも戸次さんが『巻いていこう!!』って(笑)」と暴露。祝福の拍手を浴びていた戸次は、「前野くんには申し訳なかった。人生のなかでもとんでもないイベントでしたから」と恐縮しきりだった。
また、出演陣は超寡黙な坂下監督とのコミュニケーションに苦労したようで、金田は「監督との距離が縮まらない」と寂しげ。吉沢は「オファーを頂いた時に『どういう役ですか』と聞いてもずっとしゃべらなかった」と笑い、戸次は「(全編)撮りきれないかもしれない、となった時、監督がものすごくテンパっていた。感情があるところが見られた」と振り返った。
一方で、坂下監督と交流が深い前野は「笑うことは本当にレア。逆に笑っているのを見ると『大丈夫? おかしくなった?』と思う」と述べ、愛されキャラであることを強調。しかし居酒屋で騒動がぼっ発するシーンでは「僕と金田くん(激怒する共演者の)Tシャツの柄がツボに入り、テイクを何度も重ね空気が悪くなった。坂下くんの顔を見られなかった」と戦々恐々だ。当の坂下監督は「テレビのNGシーンとか、テレビで見ると笑っていましたが、現場では笑えないと思った」とボソリとつぶやいたものの、最後は「この企画は3、4年前くらいから準備していました。上映までこぎつけたうえに満席になって良かった。SNSのほうで(口コミを)よろしく願いします」と真摯にアピールしていた。
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