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N・ポートマン&L=R・デップ共演作「プラネタリウム」監督 仏映画界での女性監督の立場を語る

2017年9月23日 11:00

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レベッカ・ズロトブスキ監督
レベッカ・ズロトブスキ監督

[映画.com ニュース]オスカー女優ナタリー・ポートマンと、世界が注目するサラブレッド、リリー=ローズ・デップが姉妹役を演じる話題作「プラネタリウム」が公開された。スピリチュアリストの姉妹が、ある映画プロデューサーから世界初の心霊映画の製作を持ちかけられ、運命を狂わせていくさまを描く物語だ。来日したフランスの女性監督レベッカ・ズロトブスキに話を聞いた。

知的で詩的、ノスタルジックな物語であると同時に、様々なメタファーが込められた作品だ。「私自身、監督である前に脚本家なので、演出よりも言葉が先に来るのです。比喩的な部分や、詩的な部分はまず言葉から生まれてくるのです。フィクショナルな部分が私には重要です。特に、今、ヨーロッパがダークな時代で、暴力的になったり、差別的になったりと、これまで積み上げてきた歴史が、崩れかけていると感じます。そういう危機感からこのストーリーが生まれました」

画像2(C)Les Films Velvet - Les Films du Fleuve - France 3 Cinema - Kinology - Proximus – RTBF

主演のポートマンとは、映画監督になる以前から付き合いがある友人だったという。「リリー=ローズは、ナタリーが私に写真を送ってきて、妹役にどうだ?って紹介してくれたの」という。「会った瞬間に、ナタリーと似ていると思った部分もあるし、いろんな共通点があるから、ぴったりだと思ったのよ。今回の作品に関しては、とてもキャスティングが楽でした」と振り返る。そして、ポートマンの魅力をこう語る。「彼女は好奇心旺盛で、ヨーロッパの文化や祖先についても興味があるのです。お互いユダヤ人だということも共通しています。あと、彼女はとてもシネフィルで、ハリウッド女優で、あそこまで外国のインディペンデント系の映画に興味を持つ人は多くないと思うんです。あとは、女優である前に、考える頭の良い人。今、地球で起きていることに興味があり、アーティストでもある部分がお互い共鳴しています」

イザベル・ユペール主演の「未来よ こんにちは」で、第66回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞したミア・ハンセン=ラブ第88回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた「裸足の季節」のデニズ・ガムゼ・エルギュベン監督ら、近年のフランス映画界では若手、中堅の女性監督の活躍が顕著だ。

「フランス映画界では、女性監督が全体の20パーセントくらいを占めます。アメリカや日本に比べたら、かなりの割合ではないでしょうか。フランスは、性別の関係なく、映画監督が働きやすく、プロダクションにも恵まれています。もちろん、女性であるがゆえに、ギャランティや予算が少ないという不公平なことも多いです。それはすべての業界にもいえることかもしれませんが。しかし、他の国から比べると恵まれた環境だと思います。映画祭などで外国に行ってみると、それを強く感じます。私が知っている日本の女性監督は河瀬直美さんしか思い浮かびませんし、アメリカではキャスリン・ビグローくらいではないでしょうか」

「ミア・ハンセン=ラブのお母さんは私の哲学教師で、デニズ・ガムゼ・エルギュベン監督とは同じ映画学校に通っていました。「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマ監督も仲が良いです。このように女性同士のつながりは強く、同じ国のバックグラウンドで育ってきたという共通点があるので、ライバル視しませんし、一緒に様々な映画祭に参加したりと、絆は強まっています。フランスでは、もしかしたら、40代や50代の男性監督たちのほうが孤立しているような印象を受けます」

今作「プラネタリウム」も、特殊な世界を扱っているが、強く生きようとする女性を描く映画だ。「次回作は笑える映画を目ざしています。パリとモロッコで撮ります」と明かしてくれた。

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