爆音上映プロデューサー・樋口泰人、「ダンケルク」の見どころはまさかの“無音”!?
2017年9月11日 18:00

[映画.com ニュース] クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」「インターステラー」「インセプション」を大迫力のサウンドで上映するオールナイト爆音上映イベントが、9月8日深夜から9日早朝にかけて東京・新宿ピカデリーで開催。上映前には、「爆音映画祭」の仕掛人として知られる映画評論家・樋口泰人氏、映画評論家の森直人氏、お笑いコンビ「ダイノジ」の大谷ノブ彦のトークショーも行われた。
第2次世界大戦中の1940年、フランスの港町ダンケルクでドイツ軍に包囲された英仏連合軍の兵士40万人を救うため、イギリスの輸送船や駆逐艦、民間船までもが動員された救出作戦「ダンケルクの戦い」を、“陸”“海”“空”の3つの視点から描く。世界興行収入は4億9200万ドルを突破(9月11日時点)し、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では93%(9月11日時点)の高評価を維持している。
チケットがわずか2分で売り切れたという本イベント。樋口氏は「今朝まで音の調整をしていたのですが、チケットが2分で売り切れたというのが大変なプレッシャーでした(笑)。とても繊細に作られているので、ちょっと調整するだけでまったく変わる。銃弾やら爆撃やら色々な音が流れるなかで、どこかに合わせるとそれ用の全体像ができてしまう。できる限りバランスを取るために、ハンス・ジマーの音楽でウルっとくる部分に合わせました。泣いてもらえる“爆音”です(笑)」と意図を解説。「『インセプション』『インターステラー』に『ダンケルク』の音が入っているんです。それが聞こえると、過去の作品が一体化してくる」と見どころを明かした。
樋口氏は続けて「“爆音”で見ると特にノーラン作品は色々な音が入っていることがわかります。1番の特徴は、すーっと音が消えることがあるということ」と独自の観点で語り、「無音が1番の見どころなんです。爆音をやっておきながらあれですが、無音がどこにあるか、無音のときにどういう状態になるか、という部分を見ていただければいいかな、と。『ダンケルク』は要所要所で音がすっと消える。その完全な無音のときにどんな音が聞こえるか。そこに耳を澄ませていただけるとうれしいです」と呼びかけた。
「アナログ主義者、かつ最先端であるという、不思議な監督。多分今、全世界で1人だけ、違う発想で映画を作っている人だと思います」とノーラン愛を語った森氏は「これまでの戦争映画は『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸作戦がスタンダードで、その再生産が繰り返されていますが、『ダンケルク』はまったく違う。アメリカで公開されて批評家の受けもいいし、観客も入っている。大衆性と実験性を押し進めているのがノーラン監督なんです。例えるならばビートルズですね。イギリスからやってきてハリウッドを席巻しているのは、ノーランが発明をしているから」と見解を述べた。
大谷も森氏の意見に同調し「戦争映画って俯瞰(ふかん)の視点が多いのに、『ダンケルク』は主観が多いので圧迫感がありますよね。状況を登場人物本人たちが理解できてない。それから、普通は主人公が成長したりするのに、しない(笑)。そういうカタルシスがない。こんなやり方あったんだと、驚きました」とノーラン監督の手腕を絶賛していた。
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