西田敏行「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で気づいた役者としての信条
2017年8月25日 17:00

[映画.com ニュース] 東野圭吾氏のベストセラー小説を映画化した「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で「Hey! Say! JUMP」の山田涼介とダブル主演し、キーキャラクターとなる雑貨店の店主・浪矢雄治を演じた西田敏行が、自身の演技論を語った。
全世界の累計発行部数が650万部を突破し、「東野作品史上最も泣ける感動作」と評価される同名小説を「娚(おとこ)の一生」「PとJK」の廣木隆一監督が映像化。かつて悩み相談を請け負っていたが、今は廃業した「ナミヤ雑貨店」に忍びこんだ敦也(山田)、翔太(村上虹郎)、幸平(寛一郎)の3人の前に、32年前に書かれた悩み相談の手紙が投かんされる。3人は戸惑いながらも、当時の店主・浪矢に代わって返事を書こうとする。成海璃子、門脇麦、林遣都、萩原聖人、尾野真千子ら豪華出演陣が顔をそろえた。
「釣りバカ日誌」シリーズを筆頭に、人情味あふれる演技で知られる西田は「たとえフィクションであっても、日常を活写する部分においては、なるべく日常に近い音、言葉を選択したいと思っているんです」と自身の信条を明かす。「だからどうしても余計な言葉を付け加えてしまうんです(笑)。でもそれが僕のリアリティなんです」と笑いをまじえながらも、表現者としての自負をのぞかせる。「僕が芝居をしていていつも思うことは、自然な動きや言葉っていうのは、意外に多弁だということ。“えっと”“それでさ”みたいな接続語が、実際の会話には結構な量あるんです」と観客の共感を誘うための努力について語る。
本作においては、子どもたちの他愛のないものから大人たちの切実なものまで、多様な悩みに真摯(しんし)に向き合う愛情あふれるキャラクターを演じているが、とあるシーンではどのように表現するのが正解か、苦しんだという。「ラスト近くの手紙を読むシーンは僕なりに1番悩みました。でも悩み過ぎてはダメだという結論に至ったんです。ただピュアに、声がかすれてもいいから、自分の思っていることを素直に言おうと挑みました。どこかで妙な計算が入っちゃうと、自然な言葉はあっという間に死んじゃいますからね」とやはり、自身が大切にする“日常感”をキーワードに役と向かい合っていったようだ。
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は、9月23日から全国公開。
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