多部未華子、コンプレックスを武器に挑んだ声優業で得たもの
2017年7月2日 04:00
[映画.com ニュース] 国民的アニメの劇場版最新作「それいけ!アンパンマン ブルブルの宝探し大冒険!」が、7月1日から公開される。ゲスト声優として、物語の鍵を握るキャラクターの声を務めたのは女優・多部未華子。劇場アニメの声優は初挑戦ながら、臆病な子ライオンを生き生きと演じ切った。そんな好演の裏には、意外にも“声に対するコンプレックス”があった。(取材・文/編集部、写真/根田拓也)
劇場版29作目となる今作は、原作者やなせたかしさんの名作絵本「やさしいライオン」の主人公をモチーフとしたライオンの男の子・ブルブルが、アンパンマンらと一緒に、宝探しの冒険を繰り広げる。
体全てを使って演じる女優業を飛び出し、声だけで表現する声優業に挑んだ多部。だがインタビュー時の開口一番は、「自分の声があまり好きじゃない」という驚きの告白だった。コンプレックスである声を生かす仕事の原動力となったのは、「自分の声が好きではないからこそ、逆にオファーをいただけて嬉しい」という思いだったという。
国民的アニメのアフレコ現場は、驚きの連続だったそうで「ブースに入るとすぐに本番が始まりました。私が知っている現場は、セッティングがあり、テストをやって、待ち時間もある。本番にいくまでの順序が違うので、まずは現場のリズムになれることが大変でした」と吐露。「アンパンマンには長い歴史があるので、そこに入らせていただくのは緊張しました」とプレッシャーを明かす。
初めての現場に戸惑うなか、声優としての高い技術も求められた。臆病なブルブルは叫び声をあげる場面が多いため、セリフではなくリアクションで心情を表現しなければならず「『わあ!』と叫んだり、走った後にハアハアと息を乱したり、慣れないことばかりでした。台本にも『わあ!』とか『ハアハア』という言葉がたくさんあり、リアクションの演技が多かったので、演技にバリエーションをつけるのが大変でした」。
苦労の連続のなかでも、「幼いころから見ていた」という「アンパンマン」の現場だからこそ、作品と向き合う心構えがぶれることはなかったようだ。「演じる際に子ども向け作品であるということは、意識しませんでした。アンパンマンやカレーパンマンが言うストレートな言葉は、大人が聞いても大切なメッセージがたくさんあるので」。
苦手意識のあった声の仕事をやり遂げ、「誰もが知っているアンパンマンの世界に携われたことは、すごく楽しいことであり、良い経験だったと思います」と達成感をにじませる。「アフレコ時に『ここが出来ていない』と気づくこともたくさんあったので、それを今後どう生かせるか。今はまだ、細かく『この部分をこうしていきたい』とお伝えすることはできませんが、今後に生かせることはあったはず」と真っすぐな眼差(まなざ)しで語った。
インタビュー直後に行われた完成披露試写会では、客席の子どもたちを前に、笑顔を弾けさせた多部。2度目の挑戦の日も遠くはなさそうだ。
「小さな頃から、紳士なイメージのしょくぱんまん様が大好きです。でも今回は絡みが全然なくて残念でした。次はお願いします(笑)」
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