トラン・アン・ユン監督、最新作で主演女優と衝突?「私は操り人形じゃない」
2017年6月25日 20:35
[映画.com ニュース] 運命に翻ろうされる3世代の女性たちが、愛の物語を織りなす「エタニティ 永遠の花たちへ」が6月25日、開催中のフランス映画祭2017で特別上映され、メガホンをとったトラン・アン・ユン監督が東京・有楽町朝日ホールでのトークイベントに出席した。
19世紀末のフランス、上流階級に生まれたヴァランティーヌは20歳で結婚し、双子の男の子を筆頭に、4人の男児、2人の女児を授かる。しかし、幸せな生活は20年連れ添った夫の死、双子の息子の戦死、2人の娘を相次いで手放すことで崩れていく。そんな彼女を救ったのは、息子アンリと幼馴染マチルドの結婚だった。
「青いパパイヤの香り」「夏至」のトラン監督にとって、村上春樹のベストセラー小説を映画化した「ノルウェイの森」以来6年ぶりに手がけた監督作で、「すでに『ノルウェイの森』を撮り終えて1年後には、シナリオが完成していた。ただ、資金集めに時間がかかってしまった」とブランクの理由を説明。オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョという人気実力派女優たちを主演に迎え、「恐らく、通常の10分の1の出演料で引き受けてくれたのではないしょうか。今回は表情が物語る映画にしたかったので、顔から人生や人間性が感じられるキャストを起用した」と話していた。
また、「代々受け継がれる家族の物語を通して、時の流れの偉大さ、雄大さを表現したかった。時は永遠であり、残るのは思い出だけなのです」とも語り、「ですから、洗練した映画表現を目指しつつ、登場人物たちの心理描写や、劇的なドラマ性は極力省きました。大胆な手法であっても、私が原作から得た感動を伝えるには唯一の方法でした」と振り返った。
抽象的な語り口で描かれる作品だけに、「撮影を前に、キャストたちには『きっと途方に暮れるだろうし、不満やストレスを覚えるはず』と伝えました。実際、撮影が始まるまでは、自分自身もどんな映画になるか想像がつかなかったので」。トラン監督の“予測”は的中し、「撮影序盤のベレニス・ベジョは、私にイラついていましたね(笑)。『今、なにをしているのか分からない』『私は操り人形じゃない』と。私もその点は謝りましたし、撮影が進むにつれて関係性は良くなっていきました」と舞台裏を明かしていた。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【魂に効く珠玉の衝撃作】「私が死ぬとき、隣の部屋にいて」――あなたならどうする?
提供:ワーナー・ブラザース映画
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー