山田洋次監督、さぬき映画祭は「実にユニークな存在」 本広監督と喜劇を語らう
2017年2月10日 22:00

[映画.com ニュース] 香川県で開催される「さぬき映画祭2017」が2月10日、高松・イオンシネマ高松東で開幕し、山田洋次監督の最新作「家族はつらいよ2」がオープニング作品として上映された。山田監督は上映後、同映画祭の本広克行ディレクターとともに登壇し、舞台挨拶を行った。
山田監督の前作「家族はつらいよ」も同映画祭で上映しており、「僕がディレクターになって今年で5回目になりますが、山田監督はそのうち3回来てくれている」と本広監督は感謝しきり。そして、「僕はこの作品が大好き。笑っていいのか、泣いていいのか……。喜劇を作れる監督、役者が少なくなっていますよね。監督、そろそろ僕らに喜劇の作り方を教えてくれないと(笑)」と満面の笑みを浮かべてねだった。
今作は、熟年離婚の危機を乗り越えた平田周造と富子を演じる橋爪功&吉行和子を筆頭に、長男夫婦の西村雅彦&夏川結衣、長女夫婦の中嶋朋子&林家正蔵、次男夫婦の妻夫木聡&蒼井優が再結集。周造と富子の離婚騒動から数年後が舞台となっており、居酒屋の女将・かよ(風吹ジュン)とドライブに出かけた周造が、故郷の同級生・丸田(小林稔侍)と再会する。丸田はそのまま平田家に泊まるが、翌朝には旧友が他界していた。救急車やパトカーが駆けつけ、大騒動へと発展していく。

山田監督は、朝日新聞で連載中の夏目漱石「吾輩は猫である」に触れ、「猫が『人間を観察するのは、人間が混乱しているときがよろしい』と言っているんですねえ。つまり、喜劇ってことなんだな。気取っている人を見たって面白くない。狼狽している生身の人間が面白いんですね」と説明。そして、「喜劇ってのはつまり、人間を欠点から見る。それも優しく、温かく。その繰り返しなんじゃないかな」と話し、場内をうならせた。
「『家族はつらいよ2』ってことは、『3』もあるんですか?」と同作のシリーズ化を期待する本広監督が問いかけると、山田監督は「そうねえ、作れたらいいなあ」と穏やかな面持ち。客席に向けては、「さぬき映画祭っていうのは年々盛んになっていって、実にユニークな存在。日本の映画人にとっては、嬉しいし心強いです」と語りかけると、盛大な拍手喝さいが送られていた。
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