「アンチポルノ」冨手麻妙、園子温の粋な計らいで海外映画祭に初参戦!
2016年12月14日 12:00
[映画.com ニュース] 成人映画レーベル「日活ロマンポルノ」を復活させた「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1作で、園子温がメガホンをとった「アンチポルノ」が、正式招待を受けた第1回マカオ国際映画祭で12月9日(現地時間)にプレミア上映された。主演した冨手麻妙が現地へ飛び、マカオの観客と交流した。
本作は、小説家兼アーティストとして時代の寵児(ちょうじ)に上り詰めた京子(冨手)とマネージャーの典子(筒井真理子)のアブノーマルな関係を、色彩感覚豊かに描く。
「新宿スワン」「映画 みんな!エスパーだよ!」「リアル鬼ごっこ」といった園監督の作品に次々と出演する冨手は、クリスチャン・ルブタンのハイヒールに、ディースクエアードの深紅のドレスで登場。「私は園監督の映画で、初めての主演、初めての海外映画祭をずっと目標にしてきたので、それが実現して本当にうれしいです」と喜びを爆発させた。園監督はスケジュールの都合で参加できなかったが、冨手は「園監督が、私をマカオに行かせるために今(一緒に)撮影している作品のスケジュールを無理矢理空けてくれて『行ってこい!』と背中を押してくれました。私が海外の映画祭にずっと行きたいと言っていたのを知っていたので、自分の作品で行かせてあげようと思っていてくれたようです。朝からLINEで飛行機のラウンジの使い方など、細かいことを色々教えてくれています」と園監督の粋な計らいに感謝を述べた。
園監督はビデオメッセージを寄せ「『アンチポルノ』はいろんなものに関するアンチの映画で、ポルノに対するアンチだけじゃなくて、政治や、映画だったりに対するアンチだったり、とにかく今周りでどうもおかしいと思うものに対するアンチテーゼをした映画です」と解説。「マカオは素晴らしい街だし、いつかマカオで映画を撮りたいと思っているので、そこで上映されるということ、そしてマカオでどんな感想を持たれるかがすごく興味深いし、今回行けなかったことがすごく残念です。今は別の作品を撮っていて行けませんが、来年こそ、マカオに行きたいと思います」と意欲を燃やした。
「アンチポルノ」は、2017年1月28日から東京・新宿武蔵野館ほか全国順次公開。