カンヌを2度制した鬼才がクリーチャーを作るとこうなる!「五日物語」メイキング映像公開
2016年11月17日 17:00
[映画.com ニュース] 「ゴモラ」「リアリティー」で、カンヌ国際映画祭グランプリを2度受賞した鬼才マッテオ・ガローネ監督が、17世紀にイタリアで書かれた民話集を映画化した「五日物語 3つの王国と3人の女」の新たなメイキング映像が、公開された。物語に登場する巨大な海の怪物がどのように生み出されたかが明かされる内容だ。
“女のさが”をテーマに、3つの王国で巻き起こる摩訶(まか)不思議な事件を描くダークファンタジー。不妊に悩むロングトレリス国の女王(サルマ・ハエック)、若さと美貌を渇望するストロングクリフ国の老女(ハーレイ・カーマイケル)、オーガ(鬼)と結婚させられたハイヒルズ国の王女(ベベ・ケイブ)の3人が、過酷な運命に翻ろうされていく。
ロングトレリス国の女王は、子を授かるためには誰かの命を犠牲にして海の怪物を捕らえ、その心臓を食す必要があると魔法使いに告げられる。国王(ジョン・C・ライリー)は、妻の願いをかなえるため心臓を手に入れようと、死の恐怖を跳ねのけたった1人で海中に向かっていく。“海の支配者”ともいえる怪物はCGではなく実物大で制作され、えらや口、鼻、目が実際に動くように設計された。映像ではその制作過程が描かれると同時に怪物の全容が明かされ、頭にやりを突き刺されてのた打ち回るさまが収められている。
ガローネ監督は「多くの方法や特殊効果を試したよ。でも僕はCGではないリアルな怪物をセットに入れたかった。だから海の怪物とのシーンにはわずかなデジタル機器しか使用してない。このシーンは、特撮の始祖のジョルジュ・メリエスへのオマージュなんだ」と「月世界旅行」を生み出した“映像の魔術師”ヘの敬意を明かす。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や「ロブスター」、「キングコング 髑髏島の巨神」(2017年3月25日公開)など話題作に次々と出演するライリーは、本作のセリフに注目。「グリム童話や北欧神話のようなおとぎ話を見てみると、物語の中で登場人物が何かを話すとき、そこには大きな目的がある。対話ではないんだ。誰かが何かを話すとき、それは重要なことで、物語を先に進める。同じフレーズが繰り返されたり、物語のテーマが繰り返されることもよくあるね。おとぎ話を基にしたこの作品の脚本にも、その同じ性質がある点が気に入ったよ。空想的なビジュアル世界が次々と現れ、色々な物語が展開されるけど、セリフはすごく明瞭で簡潔なんだ」と演じる側から見た魅力を語っている。
「五日物語 3つの王国と3人の女」は、11月25日から全国公開。
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