「淵に立つ」深田晃司監督、“映画の神様”の粋な計らいにガッツポーズ!
2016年10月30日 20:00

[映画.com ニュース] 第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した「淵に立つ」が10月30日、開催中の第29回東京国際映画祭のJapan Now部門で上映され、深田晃司監督と出演者の筒井真理子が、TOHOシネマズ六本木ヒルズでティーチインに臨んだ。
映画は、郊外で小さな工場を営む夫婦とひとり娘の家庭に、夫と旧知の間柄の前科者が来訪したことで起きる出来事を通じて、“家族”という存在を問い直すホームドラマ。一家に波風を立てる前科者・八坂を浅野忠信が演じ、筒井が工場の経営者・鈴岡(古舘寛治)の妻・章江に扮している。
場内満席の盛況ぶりに喜ぶ深田監督と筒井。「内面だけでなく、体からも役を演じたい」と願い出て、3週間で体重を13キロ増減させて役に挑んだ筒井に対し、深田監督は「のぞむところだと思いました。劇中ではある時点で8年の時が流れますが、時間経過を表現するのは非常に難しい。美術や撮影で工夫はしますが、役者の体が最も表現できる部分。実は、当初テロップで時間経過を示そうとしたんですが、事前に作品を見た方から『見ればわかる』と言われ、現在の形になりました」と明かした。
八坂の存在をにおわせるキーカラーの赤に関しては、「全編を通じて、八坂という存在に支配された物語であることを示すためのもの」と話す深田監督。筒井が「八坂が白いつなぎを脱いで赤いシャツを見せる時、赤いトラックが見えますよね? あれは仕込みですか?」と尋ねると、「実は偶然なんです。カメラのモニターを見ながらガッツポーズしていましたね」と、撮影中に“映画の神様”の粋な計らいがあったことを述懐した。「色という要素は本当に重要。例えば『風の谷のナウシカ』は登場人物の状況や立場に合わせて、衣装の色が変わっていく。その仕掛けを上手く組み込めた」と、作品への手応えも実感していた。
また、本作と長編第2作「歓待」(2010)の関係性を問われた深田監督は、「どちらも家族が核となる作品。共同体における排除をテーマにした『歓待』は家族の“外側”に意識が向かっていき、鈴岡家の人々が次第に孤独を実感する『淵に立つ』は家族の“内側”に向かっていく。コインの裏表のような関係ですね」と語った。また、この日は出演者の太賀がサプライズで登場する一幕も。「シナリオを読み、先に知ってしまった事実に対して、常に無自覚であることを念頭に置きながら演じた」と語った。
「淵に立つ」は現在公開中。第29回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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