丸刈り染谷将太、チェン・カイコー監督「空海」に主演!日中共同で総製作費は150億円
2016年10月17日 05:00

[映画.com ニュース] 総製作費150億円という、ハリウッドをしのぐスケールの日中共同製作映画「空海 KU-KAI」(原題は「妖猫伝」)のメガホンを巨匠チェン・カイコー監督がとり、主人公である若き日の空海を、日本を代表する実力派俳優・染谷将太が演じていることがわかった。また、若き空海(沙門空海)の相棒となる唐代の詩人・白楽天(のちの白居易)役を、中国で好感度No.1俳優に選ばれたホアン・シュアンが務めていることも発表された。
7月31日、髪を剃り上げた染谷は、唐の都を完全再現した中国湖北省の襄陽市でクランクインした。約5カ月間にわたるオール中国ロケのさなかだが、「チェン・カイコー監督のもと空海を演じさせて頂いています。なるべくしてなっている、今はそう思えていますが、同時にこれは奇跡だとも感じています。監督の美しいアートワークの中で、なんと空海として生きられる。こんな凄まじい人生経験はないことでしょう。声をかけてくださった監督、そして快く自分を迎え入れてくれている中国スタッフ・キャストの皆さんに感謝しかありません」と意欲をみなぎらせている。
今作は、ベストセラー作家・夢枕獏氏が執筆した累計発行部数65万部の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(全4巻/角川文庫・徳間文庫)が原作。遣唐使としてやってきた若き日の空海は、詩人の白楽天と交流を深めていくが、唐の都では権力者が次々と死んでいく事件に見舞われていた。空海は白楽天と一連の事件を探るが、やがて歴史が生み出した巨大な謎と対峙することになる。

「さらば、わが愛 覇王別姫」がカンヌ映画祭パルム・ドール、米ゴールデングローブ賞外国映画賞に輝き、不動の評価を得たカイコー監督は、世界中の映画ファンがその動向に注目している。撮入から2カ月半が経過しているが、「この映画が求めているのは『美』である。僧侶と詩人。ひとりは智慧を持ち理性的で聡明、もうひとりは感性と才気に富み、熱血的である。ふとしたきっかけで出会ったふたりは、何のために相棒となり、ともに過ごすのか。それは、この世の中の『美』が徹底的に破壊されないように守るためである」とコメントを寄せている。
「まるで激しい航海の後、大唐で真相を探し求めたように自分も撮影に挑んでいる」と話す染谷。セリフは全編中国語ということもあり、「平たく言えば“大変”と言えることはありますが、不思議と空海を通して過ごしているとそれがとても解消されていくのです。唐の街を再現したとてつもなくでかいセット(もはや街)での撮影は、完璧な世界観の中でお芝居ができるので、地に足が着いてとても説得力が生まれています」と明かし、充実した日々であることをうかがわせている。
セットを訪れたという夢枕氏は、「僕が17年かけて書いた物語の舞台、映画のために造られた巨大な長安の街の中を歩いていたら、思わずほろほろと涙がこぼれてきた。このような奇跡が起こるとは。僕自身が僕の物語の中を歩いているのである」と述懐。そして「長い間、映像化不可能と思っていたのだが、そうでないことをこの時確信した。チェン・カイコーという優れた監督と出会えたことは、僕にとって、というより、この物語にとって最大の幸せであろう」と完成を心待ちにしている様子だ。
なお、完成は2017年を予定。日本では、東宝とKADOKAWAの初の共同配給作品として18年の公開を予定している。
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