今夏全米公開されたリブート映画のほとんどが不発に終わった理由
2016年8月31日 12:00

[映画.com ニュース] 米映画界にとって一番のかき入れ時である夏の興行が終わったが、観客の嗜好に変化が出てきているとロサンゼルス・タイムズ紙が報じた。
8月26日(現地時間)に製作費1億ドルをかけた大作「ベン・ハー」が封切られたが、北米興行収入1120万ドルと期待外れの滑り出しとなった。チャールトン・ヘストンが主演した1959年の作品のリブート版で、「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフ監督がメガホンをとっている。
製作・配給を手がけたパラマウント・ピクチャーズとMGMは7500万ドルの損失を出すとみられている。主演を無名に近いジャック・ヒューストン(「高慢と偏見とゾンビ」)が演じていることがヒットに至らなかった理由だという声があるなかで、同紙はより大きな原因があると指摘する。
今夏もリブートや続編映画が多数公開されたが、北米興行成績はいずれも期待外れに終わっている。また、人気シリーズの最新作も、前作の北米興収より成績を下げている。つまり、旧作のリメイクやリブート、シリーズものの最新作に対し、観客が以前よりもシビアになっていることを挙げる。
調査会社Exhibitor Relatiosのジェフ・ボック氏は、「リブートやリメイクという言葉を聞くと、観客はコピー商品と思うようになっています。ハリウッドがどうしてこの手の映画ばかり観客に押しつけようとするのか、理解に苦しみます」と明かす。
例外的にヒットとなったのは、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」「ファインディング・ドリー」など、続編でありながら批評家の評価が高い作品だ。また、オリジナル作品ではあるものの、ブレイク・ライブリー主演「ロスト・バケーション」やR指定のコメディ「Bad Moms」、R指定アニメ「ソーセージ・パーティ」などがヒットを記録。アメリカの観客は焼き直しよりも新鮮なアイデア、勝手知ったるコンセプトにツイストが加わっている作品を好むようになっていることを示している。
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