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目指す高みを上げ続ける渡辺謙がたどり着いた境地

2016年4月29日 12:00

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インタビューに応じた渡辺謙
インタビューに応じた渡辺謙

[映画.com ニュース] もはや映画の“国籍”をいちいち問う必要はないのかもしれない。それほど、渡辺謙が外国映画に出演することが自然に受け入れられるようになった。ベテランのガス・バン・サント監督と組んだ「追憶の森」も、マシュー・マコノヒーとの“2人芝居”によって、日本の死生観が根底にありながらもどこか幻想的で世界標準のミステリーをつむぎ上げた。

渡辺の下に、クリス・スパーリングの脚本がもたらされたのは2012年のこと。まだ、バン・サント監督もマコノヒーも決まっていない段階。日本人独特の死生観に根差したスピリチュアルな題材だったが、時期的なことも含めしゅん巡する。

「言ってみれば仏が成仏するということだけれど、我々が受け止める時間だったり、自分の生活から切り離す時間がある意味形骸化しているじゃない? そういう失いかけているものに外国人が興味を持ったり考えたりするようになったんだということにまず驚きましたね。でも、(東日本大)震災後だったし、さすがにこの死生観を受け止めるだけの心の余裕がなくて、ちょっと置いていたという感じでした」

自らの人生を終わらせようと青木ヶ原樹海にやって来た米国人のアーサー(マコノヒー)。実行しようとした矢先、目の前にボロボロになったスーツで傷だらけの男(渡辺)が現れる。出口を見失ってさまよっていた男はタクミと名乗り、放っておけないアーサーとの迷走が始まる。

マコノヒーとは見ず知らずの2人という関係性を重視し、クランクインまで一切会わないことにしたが、撮影が始まると同時に役者として同じ“におい”を感じたという。

「感覚的にはすごく似ている俳優さんなんじゃないかと思いましたね。あまり縛られず、かといってその場限りというのではなく、ちゃんと準備をしてきてそれを全部かなぐり捨てて飛び込んでいくような感じ。すごく近しいものを感じました」

撮影はボストン郊外の森林。その中であてもなく歩き回り、鉄砲水に見舞われるなど見るからにハードな撮影だったことが映像からもうかがえる。

「ずぶ濡れで真夜中の2時、3時に終わっても、車が入れる所までもけっこう歩かなきゃいけなくて、マシューと懐中電灯を渡されてトボトボ歩いていると、2人の靴に浸みた水の音しかしない。クチャクチャクチャって。あまりにおかしくて2人で大笑いしたりという、それくらい過酷な現場でした」

2人の関係性は徐々につまびらかになっていくが、言葉ひとつ、見聞きするものすべてが伏線となり、物語はミステリー性を強めていく。

「2人が会話をしていてもその言葉がどこに向かっているのか、どういう意図を持ってその言葉が発せられているのかというのは、通常の表現とはちょっと違うとろこがあった。演じる、表現するというより、どう感じるかというところで面白がっていました」

昨年4~7月は「王様と私」でブロードウェー・ミュージカルに初挑戦。トニー賞主演男優賞ノミネートという新たな勲章を得た。

「俳優としてプロセス、技術的なこと、メンタリティも含めて自分がやろうとしていることは、やっていけるんだと思いましたよ。向こうのお客さんが面白がってくれて、評価もされた。もう、俳優として外国でやっていくことにあまり違和感はないし、ちゃんと評価されたことは映画以上に喜びは大きかったですよね」

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