「スポットライト」トム・マッカーシー監督、オスカー受賞よりうれしいのは「問題提起できたこと」
2016年4月13日 18:00

[映画.com ニュース] 第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をダブル受賞した「スポットライト 世紀のスクープ」のトム・マッカーシー監督が、映画.comのインタビューに応じた。
2002年1月、米国で長年にわたり数10人もの神父が児童に性的虐待をはたらき、それをカトリック教会が組織ぐるみで隠ぺいしてきたというスキャンダルを、米ボストン・グローブ紙がスクープした。映画では実話をもとに、取材にあたった特集記事欄“スポットライト”を手がける記者たちの苦難に満ちた道のりを描き出す。
監督だけでなく、俳優や脚本家といった多彩な顔を持つマッカーシー監督は「扉をたたく人」(07)、「靴職人と魔法のミシン」(14)のメガホンをとったほか、「父親たちの星条旗」(06)、「ラブリーボーン」(09)などに出演し、「カールじいさんの空飛ぶ家」(09)の原案、「ミリオンダラー・アーム」(14)の脚本を手がけている。
オスカー受賞の喜びを「幽体離脱したみたいな気分だった。色々な感情が一気に押し寄せて、とにかく感無量だったよ」と語る。だがその一方で、「受賞したこと以上にうれしかったのは、この作品を通じて多くの問題提起ができたことだ。虐待の組織的隠ぺいや報道の精神、カトリック教会の実態、そして聖職者に性的虐待を受け傷ついた人々についてね。この物語をちゃんとした映画に仕上げれば、きっと観客はさまざまな疑問を持ってくれるだろうと思ったんだ」と責任感をあらわにする。
実際の事件をベースにした本作は、一見すると予備知識が必要な題材に思えるが、マッカーシー監督は「とにかく、できる限り先入観を持たずに映画を見てほしい」と見る人を選ばない開かれた作品であることを強調する。「興味がある人は見た後にいくらでもリサーチできるからね。これはカトリック教会特有の問題なのではなく、世界中で、宗教を問わず起こっている深刻な問題なんだ。ある時期にある場所で起こった問題というだけではなく、実際はより大きな問題であるということをぜひ知ってもらいたいね」。
「すぐれた調査報道がいかに(世間に対して)威力があるかを伝えるのに、映画ほどよい手段はない」と考えるマッカーシー監督は、実際の被害者たちの苦悩をすくい取るべく、幾度となくやり取りを重ねたという。「自分たちを(被害者ではなく)“生存者(サバイバー)”と呼ぶ彼らに、映画の製作にあたってインタビューの依頼をしたんだ。なかでも、ジョー・クローリーとフィル・サビアノは、被害者の証言を集める作業を大きく手助けしてくれた。シーンを書いたり、もっとよくしようとした時は、2人にその内容を送ってフィードバックを依頼したんだ。彼らはこの映画に多大な影響を与えただけでなく、まさに映画の心髄といえる。(オスカーを受賞することで)彼らに報いることができて本当にうれしいよ」。
「スポットライト 世紀のスクープ」は、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、リーブ・シュレイバーらが共演した。4月15日から全国公開。
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