狂言・野村萬斎×歌舞伎・市川猿之助、映画「花戦さ」で初共演!中井貴一×佐々木蔵之介×佐藤浩市も激突
2016年4月6日 06:00

[映画.com ニュース] 華道池坊家の初代・池坊専好を主人公に描いた鬼塚忠氏の小説「花いくさ」が、「花戦さ」のタイトルで映画化されることになり、狂言界、歌舞伎界、映画界を代表する面々が結集し、篠原哲雄監督のメガホンのもと撮影に臨もうとしていることが明らかになった。
主人公の池坊専好に扮するのは、狂言界を代表する野村萬斎。歌舞伎界からは市川猿之助が参戦し、専好と対立することになる天下人・豊臣秀吉に息吹を注ぎ込む。萬斎と猿之助は、今作が初共演となる。そして映画界からは中井貴一(織田信長役)、佐々木蔵之介(前田利家役)、佐藤浩市(千利休役)という日本を代表する名優たちが一堂に会す。
小滝祥平プロデューサーは、中井が主演した「柘榴坂の仇討」撮影中に原作と出合ったそうで、「池坊専好と千利休の友情物語。さらに、利休を死に追いやった豊臣秀吉に対し“花”をもってかたき討ちする。それも刃ではなく花、美、心で相手を説いていく。これはぜひ映画にしたいと思った」。萬斎と猿之介の初共演など、豪華なキャスティングについては「バックボーンは考えず、役に一番合うのはどなたかな? と考え、お声をかけさせて頂いた。どなたもが本物だからこそ、実現できたのではないか」。また映画には、脚本を手掛ける森下佳子が作り上げた、絵師のヒロインが登場するという。
座長を務める萬斎は、自らの役どころを「池坊専好は戦乱の時代の中で、花で世に語りかけ、花と共に生きた人。命あるものに更なる命を吹き込む、純粋(ピュア)な存在として演じたいと思っております」と説明。花を生けることで戦乱に生きる人々の心を救う花僧を演じることに、意欲をみなぎらせている。生け花の所作に関しては稽古を重ねているようで、「花鋏の使い方など華道の基本はもとより、ためる(枝などを曲げた状態にする)、葉の形を変えるなどの細かい技術や、力技を必要とする男性的な大作に至るまで、幅広く教わりました。生け花特有の所作に、私なりの動きを生かせればと思います」と明かした。
映画が公開となる2017年は、くしくも池坊家が「花を生けた」という記録から555年という節目の年を迎える。次期(46世)家元継承者である池坊由紀さんは昨年、法名「専好」(4代目)を襲名したばかりで、今作にも全面的に協力するという。4月10日にクランクインする撮影は、京都・太秦の東映京都撮影所を中心に行われ、大覚寺、妙心寺、鹿王院、仁和寺、南禅寺、随心院など京都を代表する場所でも敢行される。5月下旬のクランクアップを予定し、17年に全国で公開。
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