萩尾望都、映画は「自由な世界への入り口」 お気に入り映画に名作SFがずらり
2016年1月1日 09:00
[映画.com ニュース] 「ポーの一族」「トーマの心臓」「11人いる!」など数々の名作を世に送り出し、長年にわたり少女漫画界をけん引し続ける人気作家・萩尾望都氏がCS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」に出演した。お気に入り映画としてチョイスした6本は、ファンなら“さすが”と声を上げたくなる名作SFがずらり。「映画は五感に訴えかけ、心を広げてくれる。自由な世界への入り口」と魅力を語った。
初めての映画体験は「父に連れられて見た怪獣映画」だといい、「まだ小さかったので、怖くて半分以上は目をつむっていた。内容もよく覚えていなくて」。それでも、日本が世界に誇る怪獣映画の金字塔「ゴジラ」(1954)に対しては、「戦後日本が生んだスーパースター。これほど怖がられて、愛される希有な存在はいない」と強い思い入れ。また、巨大な脅威という点で「ウルトラマンや『進撃の巨人』など、一連のオマージュとして脈々と受け継がれている」と分析する。
スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」(68)は、「宇宙空間が生み出す光と闇のコントラスト、無重力の描写、高いクオリティと美しいデザイン。すばらしいアイデアがたくさん詰まっている」とベタ褒め。「先に原作を読み、ラストの意味がわからなかったが、映画を見るとますますわからず、何年も考えさせられた」と本作の深遠の哲学性にも魅せられている。同じく、公開当時は難解だと評された「惑星ソラリス」(72)は、「原作に比べると、映画はあいまいで優しい。アンドレイ・タルコフスキー監督はとてもロマンチックな男性なんだと思った」と語る。
SF映画でハズせないジャンルといえば、タイムトラベルもの。その原点とも言われる「八十万年後の世界へ タイム・マシン」(59)は、「突飛な発想でも、わかりやすく丁寧に描けば、人に伝わることを教えてくれるお手本のような作品」だといい、自身の創作活動も強く影響を受けている。「未来は明るいと思って育った世代なので、80万年後の崩壊した世界が衝撃的。きっと人間の愚かさを予見していたのでは?」。一方、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85)の魅力は、主演のマイケル・J・フォックスだと断言。「絶妙な個性をもっていて、この映画のために存在していると言っても過言ではない」と笑みがこぼれる。
「お棺にDVDを入れてと言っている」ほど大好きだというリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」(82)。絶望的な未来観、若きハリソン・フォードとルドガー・ハウアーのかっこ良さに加えて、原作者フィリップ・K・ディックが得意とする「この現実は、本物なのか?」という問題提起にも心奪われたそうで、85年から連載された自身の漫画「マージナル」にも「影響を与えている」と明かしている。
CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」では毎回、ゲストのかけがえのない“映画体験”と、それにまつわる人生エピソードを紹介。「この映画が観たい 萩尾望都のオールタイム・ベスト」は、1月4日午後11時からムービープラスで初回放送予定。
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