ホウ・シャオシェン監督が来日、「悲情城市」トニー・レオン起用の理由明かす
2015年11月28日 14:02
[映画.com ニュース] 台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督の「悲情城市」が11月27日、東京・有楽町朝日ホールで開催中の第16回東京フィルメックスで上映され、来日したホウ監督が観客とのQ&Aを行った。
台湾現代史において、最も激動的な1945年の日本敗戦から1949年の国民党政府の樹立までの4年間を、林家の長老・阿祿とその息子たちの姿を通して描いた一大叙事詩。
1989年ベネチア映画祭で中国語圏映画史上初の金獅子賞を受賞した本作は、ホウ監督にとって「新しいステップを迎えた作品」と話す。「それまで『恋恋風塵』『冬冬(トントン)の夏休み』など自分に近い話を撮っていましたが、『悲情城市』は台湾の歴史背景に目が向いた時の作品。脚本の朱天文は外省人で、私も福建省で生まれました。それぞれの家庭の変化から、台湾の歴史に興味を持ち、その後の作品に続いた」と説明した。
当時の香港で、アイドルとして絶大な人気を誇っていたトニー・レオン起用の理由は「この作品を撮る前から知り合いで、投資家からスターを使うという条件を出されていたので、彼に出演してもらった」といい、香港で生まれ育ったレオンは広東語が母語のため、「ビン南語が話せず、普通語(北京語)も広東語のなまりがあったので、脚本家の知人の聴力を失った文学者をモデルにした」と、主人公をろうあという設定にした理由を明かした。
日本人と中国人を両親に持つという観客が「母の勧めで初めて(本作を)見て、歴史の理解ができた」と感想を述べ、ホウ監督に日本、中国、台湾の文化交流について問うと、遣唐使の影響を大きく受けた日本の奈良、平安時代の寺社仏閣建築、台湾における日本の植民地統治時代の影響などを挙げ、「日中台の文化は一体化して混沌としてつながっていると思う」と持論を述べた。
第16回東京フィルメックスは、11月29日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【この最新作を観るべきか?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】本当に放送していいのか…!?不適切報道か否か?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【死を迎える時、どんな最期を選びますか?】“人生の終わり”と“生きる喜び”描く、珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作だった…!
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー