冬冬(トントン)の夏休み

ALLTIME BEST

劇場公開日:2025年8月1日

冬冬(トントン)の夏休み

解説・あらすじ

台湾の名匠ホウ・シャオシェンが、祖父の住む田舎でひと夏を過ごす幼い兄妹の姿を通し、自然の美しさや子どもたちの友情をみずみずしく描いた名作ドラマ。

台北の小学校を卒業したトントンは、母が入院したため、幼い妹と2人で夏休みを田舎の祖父の家で過ごすことに。近所の子どもたちともすぐに仲良くなり、トントンは田畑を駆け回って楽しいひと夏を過ごす。一方、妹のティンティンはなかなか仲間に加えてもらうことができず、兄たちにいたずらをしたりして過ごしていたが、やがて台北から父親が迎えにきて……。

兄妹の父親役で、「恐怖分子」「ヤンヤン 夏の想い出」などで知られる映画監督のエドワード・ヤンが出演している。1990年に日本初公開。2016年および2025年にそれぞれデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1984年製作/98分/G/台湾
原題または英題:冬冬的暇期 A Summer at Grandpa's
配給:Stranger
劇場公開日:2025年8月1日

その他の公開日:1990年8月25日(日本初公開)、2016年5月21日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12

(C)CITY FILMS LTD.

映画レビュー

4.0 1984年、台湾。 日本のようで日本ではない、不思議な風景に心を奪...

2026年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

知的

難しい

1984年、台湾。
日本のようで日本ではない、不思議な風景に心を奪われる。舞台となる祖父の家は、日本・中国・スペインの様式が混じり合った歴史的建築「重光診所」(1949年築)。脚本の朱天文にとっては母方の祖父の家であり、個人史的な色彩も強い。現在の様子はGoogle Mapで閲覧できるので、映画と比較するのも面白いだろう(座標「24.487450, 120.786476」でGoogle検索すると出ます)。

物語は、母の入院をきっかけに、都会育ちの兄妹・冬冬と婷婷が、叔父に連れられて祖父の住む田舎町で夏休みを過ごすところから始まる。
この導入は『となりのトトロ』を連想させるが、宮崎駿の牧歌的で優しい物語に代わって、侯孝賢監督は写実主義的なアプローチを取っている。作中のレイアウトは抒情を保ちながらも感傷的にならない距離感であり、視点人物を超えて物語を語ろうとしない筆致が貫かれている。厳格な祖父(医師)を中心に、地縁社会が機能していた時代のスナップショットという趣が強い。都会と農村の格差、障害者の女性の妊娠、犯罪者を匿ったことで警察に呼び出される叔父など、複雑な農村社会の在り方を子供視点で切り取っている。

知的障害、あるいは精神障害を抱えるハンズ(寒子)のエピソードは、作中の根底に流れる死と出生のテーマを象徴している。地域社会の中で子供と触れ合っていた障害者の大人の姿は、いつか消えてしまった原風景の一コマである。中絶と不妊治療を薦める医師と、それに反発するハンズの父親の衝突。父親の「もしかすると出産で正気になるかも」という切実な訴えに、同情心を抱えた医師は強く出る事ができない。母は入院、男の子たちは相手をしてくれないという状況で孤立した妹が、ハンズに母を見出す描写も切ない。

冬冬達にとって、それらは理解できない大人の世界の出来事であり、明確な答えを見出せないまま夏休みは終わりを迎える。

物語の終盤、寡黙な祖父が冬冬に語る言葉が、抑制的な作品のトーンからすると僅かに説明的でありながら、子供と大人の視線を橋渡しすることで、作品全体の締めくくりとして機能している。大人になった時に振り返って初めて、当時の大人たちが話していた事を理解できる。そんな感覚を追体験させてくれる映画だ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
フレンチクローラー

4.0 子供時代の夏休みに溶け込む時間

2026年6月9日
PCから投稿

きっと日本の昭和の何処か
何処かの時代も同じだった

夏休みという特別な時間
太陽、風、川遊び、玩具
周囲の子供を見守る大人
子供の秘密に大人の秘密
過ぎ去ってみれば思い出
消えて無くなる夏の日々

お爺さんの家の建築様式
日本の“畳”に統治の名残
開けた窓から入る風の匂い
子供は色んな感性で受け止める

少女を惹きつけたあの女性
彼女の中にある優しさか?
彼女の求めを強く感じたか?
出番は少なく台詞も無いが
存在感は有る。

1984年製作のこの映画
演技を見るのでは無く
彼らと共に夏を過ごす
それが一番だと感じた。

去るのは寂しいが
それも夏の思い出。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
星組

3.5 よかった

2026年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
吉泉知彦

3.5 ほっくり微笑ましく。

2026年5月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

夏休み。
お母さんが病気で入院。良くなるまでの間、そのきっかけで田舎のおじいちゃんの家に妹とお泊まり。夏休みだからって、そんなに色んなこと起きたら、退屈しないだろーなーと、映画の本筋とは別なところで感心してしまった。
とにもかくにも、家族や親族と周辺の群像を描かしたら間違いない今回の侯孝賢作品には、日本のエッセンスが馴染んでました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
そろそろだな。