映画「桜ノ雨」原作・原案のhalyosy、「曲は六畳一間の部屋に引きこもって作った」と告白
2015年10月31日 11:15
[映画.com ニュース]第28回東京国際映画祭のパノラマ部門上映作品に選出された、映画「桜ノ雨」の生合唱イベントおよび舞台挨拶が、10月30日に東京・六本木ヒルズで行われた。
生合唱イベントは、六本木ヒルズアリーナを会場に、未来役の山本舞香、蓮役の広田亮平、瑠華役の久松郁実、原作・原案を手がけたhalyosy、監督のウエダアツシが出演。本作が映画初主演となる山本は「原作を読もうかとも考えたが、自分なりの未来を表現したかった」と原作を読まずに撮影に臨んだことを明かした。それを受け、halyosyは「『こんな女の子(クラスメイトにも)いたな』という等身大な感じがした。共感を得られるのでは」と返した。
キャストから曲を聴いた際の感想が語られると、halyosyは「面と向かって感想を聞ける機会は少ないので嬉しい」と喜色満面。歌に苦手意識を持っていた山本が、ソロで歌うパートに対し「練習を重ねることで自信を持てた」ことや、ウエダが「譜面を見ながらカット割りを決めた」というような、音楽をテーマにした本作ならではの裏話も明かされた。トークパートを終えた後は、本編に出演している合唱部の面々が登壇。山本、広田、久松、halyosyらと「桜ノ雨」の合唱をお披露目し、山本が感極まって涙ぐむ一幕も。
舞台挨拶はTOHOシネマズ 六本木ヒルズに会場を移し、登壇者たちはハロウィンにちなんだ衣装に着替え、さらにハル役の浅香航大も参加した。ここからのトークは演技に重点を置き、山本は「主演は嬉しいが、プレッシャーも大きかった」と心境を吐露。ウエダは「(山本は)ディスカッションをしながら内気な未来を作っていった。堂々とした、素敵な女優さんだと感じた」と山本の役者としての姿勢を讃えた。
浅香演じるハルは劇中でピアノを弾くが、浅香自身も幼いころにピアノを習った経験があり「再練習をして、演奏シーンを演じ切った」という。撮影中で印象に残っている場面を問われた久松は、ラストの合唱シーンを挙げ「みんなと息を合わせ、感情を込めて歌うのが難しかった」と振り返った。halyosyは「『桜ノ雨』は六畳一間の部屋に引きこもって作った曲。色んな人に関わってもらい、この場に立てているのはすごいこと」と喜びをかみ締めていた。
最後にウエダが「合唱の経験者がいないながらも2ヶ月近く練習させてもらい、高校の合唱部として恥ずかしくないレベルに仕上げられた」と本作の出来映えに太鼓判を押した。
「桜ノ雨」は、アーティストとして活動するhalyosyが、2008年に歌声合成技術・応用ソフトウェアVOCALOIDを使用して制作、ニコニコ動画で発表した楽曲が原作。本楽曲の関連動画は再生数3000万を超え、多くの中学・高校の卒業式で合唱された。そのヒットを受けて2012年にはノベル化され、VOCALOIDをモデルとしたキャラクターたちの学生生活が描かれた。映画「桜ノ雨」は2016年春に公開予定。