松山ケンイチ「の・ようなもの」続編は故森田芳光監督への「ラブレター」
2015年10月29日 18:00

[映画.com ニュース] 松山ケンイチ主演「の・ようなもの のようなもの」が10月29日、開催中の第28回東京国際映画祭パノラマ部門で上映され、松山をはじめヒロインを演じた北川景子、伊藤克信、杉山泰一監督が、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に出席した。
映画は、2011年12月に急逝した森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)の続編で、キャスト陣は森田監督に縁が深い俳優・女優がそろった。「僕達急行 A列車で行こう」(12)で主演を務めた松山は「現場に入ったら、みんな(森田監督作品の)いろんな役を引きずっている人ばっかりだった。続編としてこういうふうにやるっていうのも、ひとつのオマージュというか、ラブレターだと思って感動したんです」と感慨深げに語った。
一方、「間宮兄弟」(06)の本間夕美役で銀幕デビューを果たした北川は、今作の役名も夕美であることに触れ、「これは森田組の洒落なんだなと思ってフィッティングに行ったら、10年前に撮影した『間宮兄弟』の時の衣装がそこにあった。夕美が成長したらこんな感じだったんだろうなと考えてやろうと思いました」と撮影時の意気込みを明かした。
さらに、「の・ようなもの」に出演し、今作でも同じ役を演じる伊藤は「35年経って続編ができるなんてありえない話。(『の・ようなもの』に出演した)尾藤(イサオ)さん、でんでんさんはじめ、誰も亡くならなかった。それがなかったらこの晴れ舞台もなかった。長生きに感謝ですね」と挨拶。これに松山と北川が「その通りですね」と同調し、会場の笑いを誘っていた。
また、森田組で16作品にわたり助監督・監督補を務め、今作で監督デビューを飾った杉山監督は「(森田監督への)恩返しの思いを込めて作りました。今ここにいる3人のキャストの方々も同じような思いで出演して頂いたと思っています」と感無量の面持ち。最初は「森田監督や、『の・ようなもの』のファンの期待を裏切るようなことにならないかと尻込みした」と本音を吐露したが、「森田監督も自ら黒澤明監督のリメイクをするくらいですから、『自分の続編くらいやっちゃえ』という声が聞こえてきた。そうしたら、監督の遺産であるキャストやスタッフたちをふんだんに使って撮ってみようと決意しました」と満面の笑みを浮かべ、キャスト陣とともに仕上がりに胸を張っていた。
「の・ようなもの のようなもの」は、東京・谷中を舞台に、生真面目な落語家“のようなもの”である志ん田(松山)が、かつての兄弟子・志ん魚を再び高座に立つよう説得しようと、奇妙な共同生活をスタートさせる様子を描く。2016年1月16日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。第28回東京国際映画祭は、10月31日まで開催。
フォトギャラリー
関連ニュース
河森正治監督×髙橋渉監督×リアン=チョー・ハン監督、日本のアニメーションの底力を語る!「止まっている絵が動いて見えることで命があるように感じる」【第38回東京国際映画祭】
2025年11月2日 20:30
映画.com注目特集をチェック
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
人生に迷ったとき、この映画が“効く”だろう。すべての瞬間が魂に突き刺さる体験が待っている
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
なんだこの天才的な映画は!?
【物語がめちゃくちゃ面白そう――】非常識なまでの“興奮と感動”を堪能あれ
提供:ディズニー
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ