紀里谷和明&伊原剛志、350人のファンに感激&名刺手渡し「ラスト・ナイツ」アピール
2015年10月28日 17:50
[映画.com ニュース] クライブ・オーウェン、モーガン・フリーマンが共演した「ラスト・ナイツ」が10月28日、東京・六本木ヒルズほかで開催中の第28回東京国際映画祭パノラマ部門で公式上映され、紀里谷和明監督、俳優の伊原剛志が舞台挨拶に立った。
プロモーション活動で全国をめぐり、ファンに名刺を手渡してきた紀里谷監督。この日は、伊原とともに客席の間を歩きながら名刺を配り、約350席を埋め尽くすファンを前に「目の前に広がるこの光景を思い浮かべながら作っていたと言っても過言ではありません。このように大勢の方々の前で公開させていただくことを誇りに思います」と感慨深げ。伊原も「僕と監督はどこかで日本を背負って、 海外である意味戦ってできた作品。ようやくみなさまに見てもらえることになり本当に感慨です」と満面の笑みを浮かべた。
「CASSHERN」「GOEMON」の紀里谷監督が、「忠臣蔵」をベースに高潔な騎士を描き出したハリウッドデビュー作。紀里谷監督は、「(受け取った脚本では)最初は日本の設定でやることになっていましたが、黒澤明監督の『乱』がシェイクスピアの『リア王』を戦国時代に置き換えていたことを思い出し、それができるのではないかと思いました。映画の作り方の可能性が広がるのではないかと、架空の国・時代であらゆる人と仕事をしたいと思いました。時代劇で白人、黒人、アジア人といったあらゆる人が一堂に会して芝居をするのは初めてのことでは」と説明した。
伊原は、最大のライバル役でオーウェンと対じしている。「(オーウェン、フリーマンと)一緒の画面の中で、存在で負けないようにということを心がけました。実際に撮った画面を見て、わりと大丈夫だなと(笑)。自画自賛かもしれないですが『オレも画面の中に存在できているんだ』と思えて、海外の作品にも挑戦したいと思えた作品」と手応え。そして「多くの方が紀里谷監督はCGのイメージを持っていると思いますが、雪もアクションシーンも今回はほとんどないです」と語り、「日本人監督で世界に出ていろいろな役者を使える人はあまりいないと思います。紀里谷監督は、今後も日本はもちろん世界で活躍する監督だと思うのでついていきたい」と信頼を寄せた。
伊原の言葉を聞いていた紀里谷監督は「ありがたい」と感激しきりで、「監督の力は些細なもので、どれだけ優秀な方に囲まれるのかということ。映画は自分の子どもで、優秀な方々と作って育てていく作業だと思っています。今回3人目の子どもでマイナス20、30度の中1日12時間以上かけ、一緒に戦って作りあげた子どもです。それくらい命をかけて作ったつもりです」と熱を込めた。
第28回東京国際映画祭は、10月31日まで。「ラスト・ナイツ」は、11月14日から全国で公開。