役所広司「日本のいちばん長い日」原田眞人監督に最敬礼「参加していて非常にワクワクする」
2015年10月26日 20:00

[映画.com ニュース] 太平洋戦争終結の舞台裏を描いた映画「日本のいちばん長い日」が10月26日、第28回東京国際映画祭JAPAN NOW部門の特集企画「原田眞人の世界」で上映され、メガホンをとった原田眞人監督と、主演した役所広司が東京・新宿ピカデリーでのティーチインに出席した。
昭和史研究の第一人者である半藤一利氏のノンフィクション小説を映画化。終戦間際の1945年を舞台に、太平洋戦争を終わらせようとする昭和天皇(本木雅弘)、鈴木貫太郎首相(山崎努)、阿南惟幾陸相(役所)ら当時の要人の努力を描き、“日本のいちばん長い日”に何が起こっていたのかを映し出す。
役所はほかに、「KAMIKAZE TAXI」「バウンス ko GALS」「金融腐蝕列島 呪縛」「突入せよ!『あさま山荘』事件」「わが母の記」などの原田作品に出演。まさに千変万化ともいえる演じぶりの役所は、「いつも原田監督は新しいものにチャレンジする方なので、参加していて非常にワクワクします」と最敬礼で、「原田監督に製作費をあげればあげるほど大変になってくると思います(笑)。『KAMIKAZE TAXI』のころは1日24時間フルに使って 撮影カメラも1台しかなかったですし、それでもたくさんの素材を撮る監督。今はいつもカメラは現場に3台入っていますが、製作費をもっとあげると5台、6台になってくるんじゃないかな」とジョーク交じりに話していた。
今作で役所は、昭和天皇の身を案じる阿南陸相を熱演。原田監督は、「俳優・役所広司の新しい奥深さがあった。この先がまだあるなという感じがしている。ことに撮影が終わった後に編集でつないでみると、本当に役所さんは演技のアーチを監督以上に思い描いている。どういう風にやっているのか不思議に思うんですが、今回一番深みがあった」と手放しで絶賛する。これを受け、役所は「ありがとうございます。これからも頑張ります」と謙虚に語り、深々と頭を下げていた。
また原田監督は、今作の反響を「阿南家のご子息たちに見て頂いて、言ってくれたのは『今回初めて、父が父親として描かれていた』。ロイヤルプレミアは出来なかったですが、今上天皇様も皇后様もご覧になってくださったと聞いています」と明かす。今作と「駆込み女と駆出し男」が出品される第35回ハワイ国際映画祭(現地時間11月22日開催)に現地入りするそうで、「Q&Aをやったりいろんな話をして、その反応を直に感じてきたいと思います」と意気込んでいた。
第28回東京国際映画祭は、10月31日まで開催。
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