R・ゼメキス監督「バック・トゥ・ザ・フューチャー」デイ迎えマーティ&ドクに忠告「時空をいじるな」
2015年10月21日 13:34
[映画.com ニュース]名匠ロバート・ゼメキス監督が10月21日、ジョセフ・ゴードン=レビットを主演に迎えた最新作「ザ・ウォーク」のプロモーションのため、プロデューサーのジャック・ラプキー氏とともに来日し、都内で会見した。
この日は、大ヒットを記録した監督作「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」(1989)で、主人公のマーティとドクがタイムトラベルする30年後の未来という記念すべき日。ゼメキス監督は“今日”大騒動を起こすことになる2人に「時空をいじるな、壊すな」と忠告。さらに、「2015年10月21日にここにいられることを嬉しく思います。“バック・トゥ・ザ・フューチャーデイ”ですから。30年はあっという間でした」と誇らしげに笑ったが、続編については「ありません。あれは3部作として完結しています」と否定した。
映画は、1974年当時、世界一の高さを誇った米ニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーに渡した1本のロープの上を、命綱なしで歩いたフランスのフィリップ・プティの実話を3Dで描く。
ゼメキス監督は、主人公を演じたゴードン=レビットを「素晴らしい役者なのは間違いない」と手放しで絶賛。今作では視覚効果と実際にロープの上を歩くゴードン=レビットを組み合わせて撮影されたが、「今回ワイヤーロープを(ゴードン=レビットが)自分でやりたいと言い出したんだ。僕は(全て)VFXを使ってもいいと思っていたんだけれど、彼は実際に自分でやりたいと言ってくれた」と若手実力派俳優の役者魂がうかがえるエピソードを披露した。
また、地上411メートルの世界を映像化したしたことについて、「他のアートの形ではできないスペクタクルが映画には表現できる。プティが行ったことやキャラクターにもとてもひかれたけれど、映像化ということにとてもワクワクしました」とニッコリ。常に最新の技術を取り入れ、先進的な作品を撮り続けてきたゼメキス監督だが、「映画監督として使えるツールを全て楽しんでいるだけなんです。あまり『こういうエフェクトを使おう』と最初に考えているわけではないんです」と率直に語った。
さらに、自らの今後については「許してもらえるなら、今後も映画を作り続けたいと思います」と意欲的。また、「映画の未来にとても希望を感じます。デジタルテクノロジーも進化して、効率よく経済的に作れるようになった。予算を抑えられれば、本当のアートとしての映画や面白い作品ができると思います」と今後のさらなる技術革新に期待を寄せていた。
「ザ・ウォーク」は、10月22日に開幕する第28回東京国際映画祭のオープニング作品として上映され、2016年1月23日から全国で公開される。