今井雅之さん主演舞台「手をつないでかえろうよ」、川平慈英×奈良橋陽子監督で映画化
2015年10月16日 22:10
[映画.com ニュース] 今年5月28日に死去した俳優・今井雅之さんが原作・脚本・主演を務めた舞台「手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~」が映画化されることが10月16日、京都で開催中の京都国際映画祭2015で発表された。よしもと祇園花月での会見には、監督を務める奈良橋陽子、プロデューサーの野村祐人、主演の川平慈英が出席した。
「WINDS OF GOD」などで今井さんとタッグを組んできた奈良橋監督が、今井さんにゆかりあるキャスト・スタッフとともに映画化。軽度の知的障害がある男性・真人(川平)は、同じく障害を抱える女性・咲楽と出会い、やがて結婚する。しかし真人は咲楽を守るために犯罪に手を染めてしまう。
奈良橋監督は、製作の経緯を「去年の終わりくらいに、彼から電話があって、その時に病気のことを言われました。そして『俺は絶対出たいから、(今作を)監督してほしい』と言われ、喜んで引き受けました」と明かし、「3月の終わりに、1日だけ彼と撮影しました」と告白。今井さんは出演していないため、その際にはカメラバックで見守っていたそうで「その時は涙を流して喜んでいました。彼の友人や、彼を思う方が本当にいらして、私もそのおかげで支えられました。愛情にあふれた作品だと思います」と感慨深げに語っていた。
奈良橋が主宰する俳優養成機関「アップス」の卒業生で、今井さんとは「兄弟同然」の仲である川平は、「雅之のパートを僕ができるというのは単純に喜びで、すごく嬉しかったです」と感激の面持ち。そして、今井さんの病床を振り返り「雅之に会いに行ったんですが、なかなかしゃべれる状況でもなく、この役をありがとうと言えなかったんです」といい、「映画とともに、雅之に感謝の気持ちを届けられたらいいなと思う」としみじみ明かしていた。
この日は今井さんが原作・脚本・主演を務めた映画「WINDS OF GOD」が上映され、奈良橋監督と舞台版に出演したなだぎ武が舞台挨拶に登壇した。映画「手をつないでかえろうよ」は、今井さんの1周忌にあたる2016年5月28日に公開予定。
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