上野樹里&リリー・フランキーの同棲生活に藤竜也が転がり込む!? タナダユキ監督作が決定
2015年10月16日 05:00

[映画.com ニュース] 女優の上野樹里が、タナダユキ監督の新作「お父さんと伊藤さん」に主演することが発表された。上野が息吹を注ぎ込むのは20歳年上の恋人と同棲生活を送る女性・彩という役どころで、恋人の伊藤さん役をリリー・フランキー、ふたりが暮らす小さなアパートの部屋に転がり込んでくる彩のお父さん役を「龍三と七人の子分たち」で圧倒的な存在感を放った藤竜也が演じる。
互いにいい年齢ながら特に将来について話し合うこともなく、流れるままに付き合うことになった彩(上野)と伊藤さん(リリー)は、ふたりなりに慎ましく暮らしていた。そんなある日、息子の家を追い出された彩のお父さん(藤)が、ふたりの同棲生活に転がり込んでくる。年齢の割に頼りなさそうな伊藤さんの存在を知り驚くお父さんだったが「この家に住む」と譲らず、3人のぎこちない共同生活が始まる。
「陽だまりの彼女」(2013)以来2年ぶりの映画主演となった上野は、定職に就かず書店でアルバイトをして自由気ままに暮らす34歳の主人公を、「キラキラした単純なヒロインではなく、自分の価値をそこまであげず、彼女なりに現実を見据えて生きている等身大の女性」と分析。物語の設定は特殊だがリアリティを感じたといい、「結婚はせずに、年上の男性と心地よい距離を保ちながら付き合っている人が年々増えてきていたり、30代半ばで老いた父親の将来を意識する年齢に差し掛かってきている人も多い世の中で、共感できる作品だと思います」と語る。
そんな彩の恋人、伊藤さんは給食センターのアルバイトで生計を立てている54歳。「私の周りでは伊藤さんよりダメな人間はたくさんいますね(笑)」というリリーは、「ちゃんとしていない50代が若い人と付き合うとまわりはどよめくんだと、今回演じてみて改めて身につまされる気がしました」と笑う。言いたい放題の頑固親父ながらどこか憎めないお父さん役を演じた藤は、「監督は細かな言葉のニュアンスをとても大事に演出をしてくれるので完成が楽しみです」と期待を寄せた。
メガホンをとったタナダ監督は、「みなさん真摯に役に向き合ってくださり、今回のスタッフ、キャストとともに、映画という決して正解のない中での正解を探す作業は、とてもぜい沢な時間だったと思います」と振り返る。9月10日に始まった撮影は10月4日にクランクアップを迎えており、「上野樹里さん、リリー・フランキーさん、藤竜也さん、この3人がひとつの画面にいるだけで、すごく魅力的で面白いものになると思いますので、頑張って完成へ導きたいと思います」と決意を述べた。
原作は、劇作家としても活動する中澤日菜子による同名小説で第8回小説現代長編新人賞受賞作。ユーモアあふれる会話が軽やかに彩る物語を、「四十九日のレシピ」でタナダ監督とタッグを組んだ黒沢久子が脚色する。「お父さんと伊藤さん」(father-mrito-movie.com)は16年全国公開。
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