足立正生監督、9年ぶり新作はカフカ「断食芸人」を映画化
2015年9月25日 15:40
足立監督にとって「幽閉者テロリスト」以来9年ぶりの新作となる「断食芸人」は、フランツ・カフカの同名寓話を現代日本を舞台に再構成し、自由に拘束された現代人の生をえぐり出す物語。「リンダ リンダ リンダ」「マイ・バック・ページ」など山下敦弘監督作品の常連俳優山本浩司が主演、前衛演劇の役者陣が参加し、現実と幻想を超えたグロテスクな世界を描き出す。
足立監督は本作の構想について「尊敬するカフカとオーソン・ウェルズの『審判』を考えて撮った作品」といい、「いろんな解釈のあるカフカの短編の中でも、笑い飛ばせる落語のような話、イージーなユーモアではないが、2015年に起こった事を明確にできると思った。大いに楽しんで作った」と話した。
本作に特別出演している吉増氏は「これ以上ないくらい安楽な場所で、詩の心が持続していくような行為を足立組が作ってくれてそこに詩が接続した」と撮影を振り返り、劇中のストーリーに呼応する詩を朗読した。
今年戦後70年を迎えたが、現在の政治的情勢とアーティストの在り方について質問が及ぶと足立監督は「歴史は繰り返すと言いますが、過去ほど悪くなることはないと思います。現状でたらめなことは起こっていますが、それでも前にいけるのでは。革命も映画もやることは一緒」と持論を述べ、四方田氏は「楽観主義は悲観主義に絶対勝つ」というサミュエル・フラー監督の言葉を紹介した。
「断食芸人」は2016年春、渋谷ユーロスペースで公開。
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース

「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」あらすじ・概要・評論まとめ ~無駄を優雅に、エレガントに、ゴージャスに作り込む美学の粋~【おすすめの注目映画】
2025年9月18日 08:30

「リンダ リンダ リンダ」に“演奏させない”ラストの可能性があった 山下敦弘監督の学びとなったのは「ストレートなカタルシスの良さ」【NY発コラム】
2025年9月7日 20:00


ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、ベボベ関根が20年ぶりの“リユニオン”!松山ケンイチもサプライズ登場【「リンダ リンダ リンダ 4K」公開前夜祭】
2025年8月21日 21:58


映画.com注目特集をチェック

ファンファーレ!ふたつの音
【本作、良い映画ではないです。最高に良い映画です】“ほっこり系”と油断してた…感情が持ってかれた
提供:松竹

これ観てない人、マジもったいない!!
【夏に観逃したという人へ…】まだ間に合う!むしろ今こそ映画館へ【知れば絶対に観たくなる7の事実】
提供:東宝東和

4歳の息子が誘拐された。
【しかし、誘拐犯が死体で見つかった】警察は息子に疑いを向ける…衝撃の極限ヒューマンサスペンス
提供:東映

個人的・下半期で観たい映画No.1
映画ファンがこぞって「絶対観る」と決めてるの何で!? 全員主役級がクセ激烈の異常者に…
提供:ワーナー・ブラザース映画

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント