トム・フーパー新作、ベネチアで初披露 エディ・レッドメインの熱演に絶賛の嵐
2015年9月9日 14:22

[映画.com ニュース]イタリアで開催中の第72回ベネチア国際映画祭で9月5日(現地時間)、トム・フーパーの新作「The Danish Girl」が披露され、主演エディ・レッドメインの演技が絶賛された。
本作は、トランスセクシュアルのパイオニアとして知られる実在の画家リリー・エルベと、その妻で画家のゲルダ・ベゲネルのストーリーを題材にしたもの。1920~30年代のコペンハーゲンとパリを舞台に、女装に目覚め、やがて妻の支えのもと性転換に踏み切るまでのリリーの半生を描く。レッドカーペットにはフーパーをはじめ、新妻を伴ったレッドメインとゲルダ役のアリシア・ビカンダー、共演のマティアス・スーナールツ、さらにアンバー・ハードが前日に続きジョニー・デップと現れるなど、華やかな顔ぶれとなった。
「英国王のスピーチ」で、繊細な演出によりキャラクターの心情を描いたフーパーはここでも、計算された美しいセットを背景に登場人物の感情の変化を丁寧にすくいとってみせる。難点を挙げるとすれば、映画の冒頭、リリーの女装への目覚めが早足で描かれるため、観客によっては感情的についていくのが難しいと感じるかもしれない点か。もっとも監督によれば、本作はとくにLGBTQに向けた作品というよりは、お互いを支え合う普遍的な夫婦愛の美しさと自分らしくあることの自由を謳った作品だという。批評家の評判は割れ気味だが、オスカーを獲得した「博士と彼女のセオリー」以来、再びフィジカルな役柄に挑戦したレッドメインの熱演は、満場一致の喝さいを浴びた。
「The Danish Girl」に続きレッドカーペットを彩ったのは、ドレイク・ドレマス監督の「イコールズ(原題)」に主演したクリステン・スチュワートとニコラス・ホルト。日本でもロケをした本作は、近未来を楽観的な視点から描く。作品的な評価はいまひとつだったものの、カップルの噂もあるふたりゆえに、マスコミやファンの注目度は、デップ&ハードに勝るとも劣らないものになった。
前半を終えたベネチアのコンペティションのなかで、現在星取表の評価がもっとも高いのは、アレクサンダー・ソクーロフの「Francofonia」。ドイツ・ナチスの将校とパリのルーブル美術館の館長が、美術品を守るために協力し合うという架空の物語だ。いつもに比べ映像的な冒険は控えめながら、比喩に富んだやり方で芸術と権力の関係を考察し、批評家受けの高い作品となった。(佐藤久理子)
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“最高&最幸”の一作
【過去最高の評価!最も泣いた!】ありがとう、そして…さようなら!? 結末は絶対に観て…!
提供:キノフィルムズ

ハリポタファンに激烈にオススメ
【本気で良かった】夢と魔法のような、最高の空間…特別すぎる体験でした【忖度なし正直レビュー】
提供:ワーナー ブラザース スタジオ ジャパン

え、伊藤英明!? すごすぎる…!
【狂キャラが常軌を逸した大暴れ!!】地上波では絶対ムリ!? 超暴力的・コンプラガン無視の超過激作!
提供:DMM TV

是枝裕和監督作品「ラストシーン」
iPhone 16 Proで撮影。主演は仲野太賀と福地桃子。(提供: Apple)