富田克也監督新作「バンコクナイツ」は「ゴリっとした映画」 ファンディング実施も発表
2015年9月3日 14:10
[映画.com ニュース] 「サウダーヂ」の富田克也監督最新作「バンコクナイツ」のクランクイン直前イベントが9月2日、東京・渋谷WWWで行われ、ロードムービー風に撮影された特報と現地でのロケハン模様が公開された。また、10月20日からクラウドファンディングの実施も発表された。
全編タイおよびラオスロケを敢行予定で、10月のクランクインを前に富田監督は「娼婦、楽園、植民地」をテーマとした新作の概要を説明。ベトナム戦争の影響を被ったタイのイサーン地方から、アジア、日本の植民地の歴史をあぶりだす骨太な作品になるそうで、「こういう時代にゴリっとした映画があってもいい」と宣言した。
富田監督と共同脚本を手がける相澤虎之助らによる映画製作集団「空族」は、製作、配給、宣伝のすべてを自らの手で行っており、今回のクラウドファンディングは目標額を「1000万円」と設定。“怒りのデス・ロード方式”と題し、「もう観客ではいさせない」というメッセージとともに観客に向け支援を呼びかけた。
イベントには菊地成孔、樋口泰人、soi48、スタジオ石(from stillichimiya)が参加。バンコクがアジア屈指の歓楽街を抱えるようになった経緯や、イサーン地方出身のタクシー運転手や風俗業に従事する出稼ぎ労働者が多い理由など作品のロケ地にまつわる解説や、劇中で用いられるイサーン地方の伝統音楽モーラムについてのレクチャーが行われた。「バンコクナイツ」は、2016年完成予定。