原田眞人監督「日本のいちばん長い日」で昭和天皇の母・貞明皇后を演じるなら樹木希林推し
2015年7月28日 05:00
[映画.com ニュース] 「日本のいちばん長い日」の国会議員向け試写会が7月27日、東京・永田町の憲政記念館で行われ、原田眞人監督が登壇したほか、映画議員連盟の野田聖子衆議院議員が出席した。
役所広司、山崎努、本木雅弘、松坂桃李ら豪華キャストの共演で、昭和史研究の第一人者・半藤一利氏によるノンフィクションを映画化。鈴木貫太郎(山崎)が内閣総理大臣に就任した1945年4月7日から、太平洋戦争が終結した8月15日までを、鈴木首相や昭和天皇(本木)、阿南惟幾陸相(役所)といった戦争終結の立役者たちと、本土決戦を望みクーデターを企てる若き陸軍将校・畑中健二(松坂)らそれぞれの目線で描く。
野田議員は、「国会議員の先生方が、まさに今、平和とは何だ、安全保障とは何だと議論しているなかで、共通しているのは“戦争を知らない”という点。そういった我々がこういった作品を通じて何か得ることができればと思っています」と、映画への大きな期待を語る。
対する原田監督は、会場を見渡し「素晴らしい劇場」と感嘆した様子。歴史の重要人物でありながら、本作では登場しない人物について、昭和天皇の母である貞明皇后を挙げる。昭和天皇との関係への興味を明かしつつ、「残念ながら今の日本ではどこまで描けるかが分からないし、登場させると3時間4時間を超えてしまう。それに、昭和天皇を本木さんが演じているから、その母となると樹木希林さんが演じるのかとなってしまう」と、「わが母の記」(12)、「駆込み女と駆出し男」(15)でタッグを組んだ大女優の名を挙げ、会場を笑いに包んだ。
原田監督は、最後に「日本映画として初めて、昭和天皇が主役クラスの1人として登場します。70年前にどういう形で昭和天皇と鈴木首相、阿南陸相がタッグを組んでポツダム宣言受諾に持ち込んだのか、そのプロセスをご覧ください」と会場の議員たちに呼びかけた。
「日本のいちばん長い日」は、8月8日から全国公開。