「この国の空」二階堂ふみ、再共演の長谷川博己に「たくさん演技を引き出してもらった」
2015年7月17日 10:00

[映画.com ニュース] 「ヴァイブレータ」(2003)、「共喰い」(13)などの脚本を手がけた荒井晴彦が、「身も心も」(97)以来18年ぶりにメガホンをとり、芥川賞作家・高井有一氏の小説を映画化した「この国の空」の完成披露試写会が7月16日、東京・虎ノ門のニッショーホールで行われ、主演の二階堂ふみをはじめ、長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子ら出演陣が舞台挨拶に立った。
舞台は、終戦間近の東京。19歳の里子(二階堂)が、妻子を疎開させ隣家に1人で住む銀行員・市毛(長谷川)の身の回りの世話をするうちに淡い恋心を抱き、次第に自らに眠る“女”に目覚めていくさまを、当時の庶民のリアルな生活描写を織り交ぜて丹念に描く。
二階堂は、「地獄でなぜ悪い」(13)で共演した長谷川を「仲のいいお兄ちゃん」と呼び、「今回の現場では長谷川さんとは心の距離をとるようにしていましたが、たくさん演技を引き出していただいた」と信頼を寄せる。対する長谷川も、「大人っぽくなった。成長の過程を見られた喜びがある」と相思相愛の様子を見せる。自身の役を「得体の知れない男」とする長谷川は、里子と市毛の“禁断の愛”を「戦時下という状況じゃなかったら、普通の隣人だったのでは」と考察。二階堂は「体に傷がなくても、2人は戦争の犠牲者で、その状況下で起こったこと」と神妙な面持ちで語り、「戦争を忘れないこと、作り続けること。私は戦争を知らない世代ですが、伝えていくことをやっていかなければならない」と決意を新たにしていた。
また、二階堂は、劇中で使用される女流詩人・茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」を中学生で初めて読んだそうで、「荒井監督も私も人見知りでしたが、詩を通してつながれました」と振り返る。親子役を演じた工藤とは英語で会話をしていたと明かし、会場からは驚きの声が上がった。
姉妹役を演じた工藤と富田は、「誰も死なず、傷を流さない。でも見終わると不思議な感動がある」(工藤)、「これは戦争映画? というくらい静か。全編に漂う色っぽさがすごい」(富田)と、荒井監督の手腕を絶賛。荒井監督は照れくさそうな表情を浮かべつつ、「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と比べたら退屈かも。安心して、うとうとしてください」と、会場を笑いに包んでいた。
「この国の空」は、8月8日から全国公開。
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