是枝裕和監督「海街diary」続編製作に意欲のぞかせる
2015年6月21日 20:36
[映画.com ニュース] 吉田秋生氏の人気漫画を是枝裕和監督が映画化した「海街diary」が上映中の東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで6月21日、是枝監督と出演したリリー・フランキーがティーチインに出席した。
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが4姉妹を演じた今作は、鎌倉の古い家に暮らす3姉妹と離れて暮していた父の異母妹が、父の死をきっかけに共に暮らしはじめ、本当の意味で家族、姉妹になっていく姿を、鎌倉の四季とともに描いている。リリーは「そして父になる」に続いての是枝作品出演で、姉妹を知る喫茶店のマスターを演じた。是枝監督は、リリーを「何もしないでそこにいることが一番難しいけれど、それができた時は一番強い。それを最初から分かっているので、プロの役者からしたら困る人」と評する。
「ちょっとHな映画を見たという感覚を覚えた。(次女・佳乃役の)長澤まさみちゃんが四季を肉体で表現している」と本編を分析したリリー。是枝監督にとっては狙い通りだったようで、「法事が3回も出てくるので、死をめぐるエピソードに包まれると美しくて悲しい物語になってしまう。肉体と食べることをきちんと体現したくて、次女にエロス、三女(夏帆)に食を担ってもらった」と説明する。
さらに、姉妹たちの衣裳にも言及。「喪服も全員違うんです。衣装の伊藤(佐智子)さんが繊細に考えてくれた。衣装合わせで『(実際には見えない)下着から決めたい』と言ってくれた」という。リリーは、「(綾瀬扮する長女の)幸は上下バラバラっぽい。三女はボクサーパンツをはいてそう」と話すと、是枝監督も「三女はスポーティですね。次女は日本のではない下着です」と同調していた。
リリーは、トークの最後に「続編が見たい。すずがグレていたら困るけど(笑)」と語ると、場内からは拍手喝さい。宣伝担当者は「まだなんとも……」と言葉を濁したが、是枝監督は「『続編を見たい』と言ってもらえるくらいヒットすればいいね、とみんなで言っていました。具体的になればいいなと思います」と意欲をのぞかせていた。