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鋭い映画批評で人気の宇多丸、人生に影響を与えた作品は?

2015年6月7日 10:15

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鋭い映画批評で人気のライムスター宇多丸
鋭い映画批評で人気のライムスター宇多丸

[映画.com ニュース]ラジオ番組で鋭い映画批評を披露し、映画ファンから熱い支持を集めるヒップホップグループ「RHYMESTER」のメンバー・宇多丸が、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」に出演。「僕にとって映画とは、現実世界では得られない次元や視点、立場を疑似体験できる、別のチャンネル。その数が多いほど、人生も豊かなものになる」と映画の魅力を熱弁している。

映画選びの基準は「間口は広く、そして底なしのように深く」だという言葉通り、本人がチョイスする作品群もバラエティに富んでいる。自転車レースに青春をかける若者を描く「ヤングゼネレーション」(1979)は、「自分が日本で一番この映画が好きな男だと思う」と豪語する思い入れの強い一作。夢を追う主人公の姿に「学生時代、先が見えない状況で日本語ラップを切り開こうと、もがいていた自分にシンクロし、嗚咽が止まらなかった」という。

敬虔なカトリック信者の男が、ある女性にひと目ぼれし、自滅する姿を描いたメキシコ映画「エル」(52)は、「サイコパスコメディの傑作で、終始大爆笑できるが、ラストショットが示す報われない魂の闇にショックを受けた」。また、ヒッチコックの「めまい」(58)も「幻想しか愛せない男の物語」と分析。どちらの作品も、「ヒップホップという幻を追った自分」に重なるというのが、宇多丸ならではの視点だ。

同番組でたびたび紹介される「時をかける少女」(83)は、「ヒロインが幻想にとらわれたまま生きている、いわば大林宣彦版『めまい』だと思う」。また、メル・ギブソン監督がマヤ文明を題材に生み出したアクション超大作「アポカリプト」(2006)を「特異なハイブリッド感。映画史が追い続けたアクションの要素を詰め込み、原始的なカタルシスが純粋に浮かび上がっている」と大絶賛している。

CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」では毎回、ゲストのかけがえのない“映画体験”と、それにまつわる人生エピソードを紹介。「この映画が観たい 宇多丸のオールタイム・ベスト」は、6月8日午後11時からムービープラスで初回放送予定。

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