豪華すぎるスタッフキャストが集結!ジャン・ルノワール奇跡の映画「ピクニック」製作秘話
2015年6月6日 07:30

[映画.com ニュース]戦後70年を記念し、巨匠ジャン・ルノワール監督「ピクニック」のデジタルリマスター版が6月13日劇場公開する。わずか40分のモノクロ映画だが、助監督とスチル撮影を兼務したアンリ・カルティエ=ブレッソンをはじめ、歴史に名を残した芸術家たちがスタッフ、キャストとして参加し、第2次大戦の惨禍を超えて公開された奇跡の作品として知られる。このほど音声リマスターを担当したレオン・ルソー氏のコメントと、場面写真を映画.comが入手した。
ギィ・ド・モーパッサン「野あそび」が原作で、アンリ・カルティエ=ブレッソンやジャック・ベッケル、ルキノ・ビスコンティら後の巨匠たちが助監督として名を連ねた。ヒロインを演じたのは、作家のジョルジュ・バタイユの妻であったシルビア・バタイユ。音楽は名曲「枯葉」を作曲したジョゼフ・コスマ、詩人のジャック・プレべールが映画のせりふ協力として参加するなど、錚々たる面々が関わった「愛」の映画だ。
奇跡の作品といわれる理由は、ルノワール監督が1936年に撮影後、第2次大戦時にドイツ軍によってプリントが破棄されたが、シネマテーク・フランセーズの創設者アンリ・ラングロワ氏がオリジナルネガを救出し、プロデューサーのピエール・ブロンベルジェが完成させ、第2次大戦が集結した翌年の46年、撮影から10年を経てパリで初公開したというエピソードによるもの。デジタルリマスター版はブロンベルジェ氏の娘らの手で2013年に完成した。
このほど日本で初公開されるデジタルリマスター版は、美しくよみがえったモノクロ映像とともに、音声も一段と美しく修復されている。音響係のルソー氏は、1936年当時のフランス映画の音響技術は非常に未熟だったと説明し、デジタル修復できたのは、当時の音をキャッチできる精巧なレーザースキャナーを用いたことだと明かす。「特にこの映画に関しては、音響のリマスターは登場人物の声、その時代とは異なる音楽を組合せるのが最も重要な作業でした。音声に関しては、まずはセリフをはっきりと聞き取れることが一番の課題でした。そのために風や雑音を除くための、修復は困難を極めたのです。それに反して音楽は、なるべく修復しないことを心がけました。音楽では、特に弦楽器の繊細さを保つように努めたのです」と語っている。
「ピクニック」デジタルリマスター版は、6月13日シアター・イメージフォーラム他全国順次公開。
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