広瀬すず、初参加のカンヌ映画祭を振り返る 是枝組の穏やかな現場についても言及
2015年5月27日 16:10
[映画.com ニュース] 是枝裕和監督の最新作で、第68回カンヌ映画祭コンペティション部門に選出された「海街diary」の写真集発売記念トークショーが5月27日、都内で行われ、主人公の4姉妹の四女に扮した広瀬すず、映画の撮影監督を務め写真集の著者でもある瀧本幹也、是枝監督が登壇した。
カンヌでは、5月14日(現地時間)に公式上映され、3人の姉を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆とともにレッドカーペットを練り歩いた広瀬。「すごく楽しかったです。映画の街だなっていうのが印象的。思ったよりも緊張せず、お姉ちゃんたちと映画とは違う雰囲気の衣装でレッドカーペットを歩けてすごく楽しかった」とほほ笑んだ。2年ぶり4度目のコンペ選出となった是枝監督も、「楽しんでいましたよ。すずは落ち着いていて、受け答えも一番しっかりしているから何の心配もしていませんでした」と太鼓判を押した。
写真集はオールカラーの104ページで構成され、縁側で昼寝をする4姉妹の姿や、綾瀬演じる長女・幸がすず(広瀬)の髪を切る様子など、映画本編にはないシーンも収録されており、映画の枠を超えた4姉妹の日常が映し出されている。ブックデザインは、映画のアートディレクターを務めた森本千絵が担当。“海街カラー”の表紙は、本書のために染色した布地を使用しており、作り手の愛情とこだわりを感じさせる装丁になっている。
瀧本は、「原作にもあるんですが、日本家屋がすごく素敵で、4姉妹が待ち時間にも縁側にたたずんでいるんです。小さなカメラで撮ったりしていて、たまったところで見せたら『いいですね』と。空き時間などのすき間を縫って撮らせてもらいました」と経緯を説明。是枝監督も、「ポスターも含めて瀧本さんにお願いしていたわけですが、何枚か見せていただいて、これは何か形にしないともったいないと、見た人たちにそう思わせてくれた」と振り返った。
“4姉妹”は撮影中も仲が良かったようだが、広瀬は会話の内容に関して「あそこのご飯屋さんがおいしいよとか、監督や瀧本さんの話もよくしていました」とニッコリ。さらに、「瀧本さんはすごくクールなんですが、きっと面白い人だねとか、監督はかわいいよねって。スタッフみんなが監督のこと大好きなんです。雰囲気も穏やかですし」と明かすと、是枝監督は「スタッフのおかげだと思います」と頭を下げた。
劇場公開は、6月13日。是枝監督は、「公開までもうちょっとだけ時間がある。もう一度、自分たちの作った映画をかみ締めながら、初日まで過ごすのはいい時間。こういうイベントとか、いろいろな口実を作ってみんなで集まれるのはいいことですね」と穏やかな面持ちで語った。吉田秋生氏の人気少女漫画が原作の映画は、祖母の残した湘南・鎌倉の家で暮らす3姉妹が、山形で別の家庭を築いていた父の葬儀で異母妹のすずと出会い、運命的に引き取ることを決意し、本当の意味で姉妹に、家族になっていく1年を描く。
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