黒沢清がカンヌで語る「岸辺の旅」 地元紙が絶賛
2015年5月20日 15:40
黒沢監督は、「約1年前に取りかかった本作の終着点が、カンヌ映画祭であることは、わたしたちにとって本当に晴れがましく幸運なことです。ただし映画にとってはこれが始まりの日。つまり今日は終わりの日でもあり始まりの日でもあると思います。この映画も、人生の終わりはじつは始まりの日なのかもしれないと考えて作りました。これは夫婦である男女が旅をしていく物語ですが、そのなかで始まりと終わりをどのように経験していくのか、最後までゆっくりと楽しんで頂ければと思います」と挨拶した。
湯本香樹実氏の同名小説を映画化した本作は、3年前に失踪した夫が、死者となって妻のもとに舞い戻り、数日間をともに過ごす物語。ラブストーリーであり、愛する者を失った人々の魂の救済も描き、観客の琴線に触れる。上映後は場内に温かい拍手が鳴り響き、3人が会場を出た後も拍手で迎える観客に囲まれた。黒沢監督が「上映後、外でも待っていてくれた観客に感動しました」と語れば、主演のふたりも「ずっと夢のなかにいるような撮影だったのが、今も続いているような心地がしています」(深津)、「僕自身この映画を観て、家族や友人など大事な人に対する愛が浮かんでくる思いだったので、観客にもひとつの愛の形が伝わったかなという印象です」(浅野)と語った。
深津にとっては、今回が初のカンヌ体験。「数ある作品のなかから選ばれただけでも光栄ですが、ここまで連れてきて頂いたことに感謝しています。監督の新作を待ち望んでいたような、観客の強い集中力を感じました」と印象を述べた。一方、前回黒沢監督の「アカルイミライ」でカンヌを経験している浅野は、「監督とこうしてまた一緒にカンヌに来られたことは、僕にとってとても大きなことで、うれしく思います」と感慨深げだった
大方評価も高く、フランスのル・モンド紙は「クロサワは、自身の芸術を超越するような素晴らしい成果を見せた」と絶賛した。(佐藤久理子)
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