三池崇史監督作「極道大戦争」、カンヌ映画祭の監督週間に出品決定!
2015年4月21日 18:30
[映画.com ニュース] 鬼才・三池崇史監督作「極道大戦争」が、第68回カンヌ国際映画祭(現地時間5月13日開幕)の監督週間に出品されることが決定した。「極道恐怖大劇場 牛頭」(2003)以来、約12年ぶりの同部門へのカムバック。4月20日に都内で行われた第15回「三池崇史 presents 大人だけの空間」後の取材で、三池監督が胸中を語った。
監督週間は、新人の発掘や巨匠監督の独創的・実験的な作品を上映する特別部門。邦画では園子温監督の「恋の罪」や、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」などが選出されている。
三池監督は出品決定の知らせに驚きつつも、「さすがカンヌと思いながら、カンヌ大丈夫か」とニヤリ。その真意を「世界中何千本とある映画の中から、あえてこれを特別招待してくれることに、いい度胸しているなと敬意を込めて」と明かし、「楽しむ価値があると判断してもらえた。映画祭として堂々と世界中に発信する、それがうれしいですね」と笑顔を見せた。
アウトローを描くことに対し「自分の言ったことや行動の責任を全部背負う。我々の日常のドラマをグッと凝縮できるのが魅力。映画の中からアウトローが、世界的に見て消滅したことがない」と説明。そして、「ほめられるために作っているんじゃなくて、我々が作りたいものを作っている」と語り、「観客にボロクソに言われようと、プロデューサーに何を言われても、やりたかったのはこうだというものさえ作れれば、あとは作品がひとり歩きをしていく。僕らはその後をついていくだけ」と矜持をのぞかせた。
これまで「一命」「藁の楯 わらのたて」がコンペティション部門、「愛と誠」がミッドナイトスクリーニング部門に出品されているが、監督週間には「熱狂的な観客が集まってくれる。観客が映画を作るというのを体感できるんです。楽しもうとしている人たちと一緒に見る自分の映画は全く違って見えるんです」と目を輝かせる。しかしその一方で、「ダメなときは終わってもシーンとしているし、ひどい目にあうんですが、この映画はどうなってもいいや。好きにしな!」とジョークを言い放ち、笑いをさらっていた。
なお、主演の市原隼人はカンヌ出品にあたり「三池監督の現場は、毎日が輝き新鮮で職人という言葉が似合う風が吹いていました。撮影中現場に行く事が毎日本当に楽しみでした。今回フランスのカンヌで上映されるということで、多くの皆様にこの作品を可愛がって頂ける事を願っております」とコメントを寄せている。
「極道大戦争」は、バンパイアのヤクザに噛みつかれた人間はヤクザ化してしまうという設定のオリジナル作品。市原隼人が主演し、そのほか成海璃子、でんでん、ヤヤン・ルヒアン、リリー・フランキー、ピエール瀧らが共演する。6月20日から全国で公開。
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