【国内映画ランキング】「ドラゴンボールZ」首位発進、「コナン」2位、「ワイルド・スピード」3位
2015年4月21日 14:30
[映画.com ニュース] 4月18~19日の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)が発表された。ゴールデンウィーク興行の前哨戦とも言える週末、期待の4本の新作が上位を占める大盛況となった。劇場版19作目にして、原作者・鳥山明が初めて脚本を描き下ろしたことでも話題の2年ぶりの劇場最新作「ドラゴンボールZ 復活の『F』」は、全国653スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員71万5727人、興収9億6058万6350円を記録し、強敵を押し退け堂々の初登場1位を獲得した。
この成績は、今年公開された全作品の中でNo.1のスタートだ。邦画史上初となるIMAX3D(18スクリーン)での上映も絶好調で、原作漫画を読みTVアニメ・劇場版を見て育った往年のファンから、現在TVで放送中の「ドラゴンボール改」を見ている子どもたちまで、幅広い層が劇場に詰め掛けた。数量限定の入場者プレゼント、鳥山明描き下ろし脚本完全収録 JC最“神”刊ドラゴンボール巻「F」が目当ての観客も殺到したようだ。興収29.9億円を記録した前作「DRAGON BALL Z 神と神」のオープニング2日間興収対比140.3%で、最終的に興収50億円超えも視野に入る最高の出足となった。
2位は、春の人気定番アニメの最新作「名探偵コナン 業火の向日葵」。全国349スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員68万8623人、興収8億7476万2300円をあげた。こちらも昨年4月に公開され、シリーズ最高興収41.1億円を記録した「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」のオープニング2日間興収対比110.8%と上回っており、シリーズ歴代記録を更新する、興収40億円以上が確実視されている。
続いて、シリーズ史上最大のオープニング成績を記録した「ワイルド・スピード SKY MISSION」が、初登場3位のスタートを切った。全国640スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員38万5429人、興収5億4834万7100円を記録。第7弾となる最新作は路上だけでなく、“空”をも舞台にした壮大なミッションで、通常の2D版に加え、シリーズ初となるIMAX3D、さらに体感型の4DX、MX4D版といった鑑賞料金が高い上映設備での鑑賞者も多かったことが興収アップに貢献した。ジェイソン・ステイサムの参戦や、本作の撮影期間中に事故で亡くなったポール・ウォーカーさんの最後の勇姿が見られるなど、シリーズファンだけでなく、女性や若年層といった新たな客層も足を運んでおり、興収30億円以上が見込まれる。
初登場4位となったのは、全国339スクリーンで公開され、オープニング2日間で動員32万9977人、興収3億8940万5800円を記録した「映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」だ。興収18.3億円を記録した前作「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」のオープニング2日間興収対比114.9%の成績で、最終興収20億円も充分突破できる大健闘のスタートとなった。
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父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。