チャニング・テイタム、新境地を開いた話題作「フォックスキャッチャー」を語る
2015年2月16日 10:00

[映画.com ニュース]第87回アカデミー賞で「監督賞」をはじめ5部門にノミネートされている「フォックスキャッチャー」で、実在するレスリング五輪金メダリストのマーク・シュルツを演じたチャニング・テイタムが撮影を振り返った。
1996年にアメリカで起こったデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンによる、レスリング五輪金メダリスト射殺事件の映画化。五輪金メダリストのマークは、同じく五輪金メダリストで兄のデイブ・シュルツともに、デュポンが率いるレスリングチームに加入し、ソウル五輪でメダル獲得を狙っていたが、次第にデュポンの過激な行動に振り回されるようになってく。デュポンをスティーブ・カレル、デイブをマーク・ラファロが演じ、「マネーボール」のベネット・ミラー監督がメガホンをとった。
テイタムといえば、「マジック・マイク」「ホワイトハウス・ダウン」などに出演し、12年には米ピープル誌の「最もセクシーな男性」に選ばれるなど、“肉体派のイケメン俳優”というイメージが強いが、今作では一味違う魅力を見せている。金メダリストで、家庭を持ち安定した生活を送る兄を崇拝しながらも、何もかも上手くいかない自らと比べ、コンプレックスを抱える複雑な男を繊細に演じ、新境地を開いた。
ミラー監督には7年前から映画化の構想があったが、その当時のテイタムはマーク役をもらえなかったと明かす。「その頃、僕はまだ演技を始めたばかりだったし、この役には若すぎたんだと思う。それから7年して、ベネットもだいぶ変わっていたよ。そして、僕らは改めて『フォックスキャッチャー』について話し始めたんだ。その時の僕には、この映画がよりよく理解できた。自分の変化もあるけど、ベネットも7年もこの映画について考えてきたからか、前とは違う風に語ったんだ。あらためて脚本を読み、僕はこの男たちの肖像を描いてみたいと思った」。それぞれが着実にキャリアを積み重ね、やっとたどり着いたのが今作ということなのだろう。
マーク・シュルツ本人と直接話す機会を持った際のことをこう振り返る。「彼本人に会うと、彼は本当に何でも嫌がらずに答えてくれた。こっちが聞こうとすら考えていなかったことでも、あっちのほうからどんどん語ってくれたよ。彼は、僕にできる限り忠実に彼自身を演じて欲しかったんだと思う。それと同時に、彼のすべての人生を2時間の映画で描くことは不可能だとも理解していた。この映画は、ベネットの視点からあの出来事を語るものであり、マークが入れたいと思う事実全部が入らないかもしれないと、彼はわかってくれていたんだ」。一部では、「マーク・シュルツがベネット・ミラー監督を痛烈批判」という報道もされたが、実際は多大な協力を得ていたようだ。
「僕は本物のマーク・シュルツと時間を過ごすことができた。それは特別な体験だったよ。最初に彼からレスリングを教えてもらったりした。その後も、彼は撮影現場に来て、僕をとても緊張させることにになった。本人がいてくれることをすごく感謝することもあれば、逆に怖いことで演技に集中する上で邪魔になると感じることもあったよ。カメラから目をそらしたら、自分が今演じているその人がそこにいるんだからさ」
テイタムは、今作を「この映画には、はっきりとした結末はない。“こういう映画だ”と明確に定義することが難しいタイプの映画だ。奥にいくつもの層、いくつものストーリーがある。たとえば、アメリカ社会についての含みももっているしね」と分析した上で、「(この作品には)とても美しく、なにか高尚なものがあるように僕には思えたんだ」と作品が持つ魅力を語った。「フォックスキャッチャー」は公開中。
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