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ヤン・イクチュン監督、国境の垣根を越えた交流に意欲

2015年2月15日 19:00

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日本でも監督、出演作が人気のヤン・イクチュン(左から2人目)
日本でも監督、出演作が人気のヤン・イクチュン(左から2人目)

[映画.com ニュース]メキシコのダニエル・グルーバー監督が企画した短編プロジェクト「ショートプレイ」が2月15日、さぬき映画祭2015が開催中の香川県立ミュージアムで、映画祭スペシャルバージョンとして上映され、ヤン・イクチュン監督が山岡大祐監督、森英人監督とともに登壇した。

「ショートプレイ」は、世界各国の著名な映画監督が結集し、31本の短編映画を製作するプロジェクト。作品の時間が3~5分であること、サッカーのプレイをたとえたストーリーであることなど、いくつかの制約はあるが、内容については監督に自由が与えられた。なお、日本編「少年の夢」は、監督・脚本・主演を杉野希妃が担当。杉野は、ヤン・イクチュン監督が手がけた韓国編「補欠」のプロデューサーを務めている。

「補欠」は、「全国のど自慢」でメガホンをとった俳優のイ・ジョンピルが主演。ヤン監督は、サッカー経験はないそうで「運動オンチなんです。ビリヤードは少々……。サッカー関連の映画を作ろうとオファーを頂いときは、さっぱり分からないので困惑した」という。それでも、「主人公を演じた彼(ジョンピル)がサッカーをやっていたので、色々と助けられた」と明かした。

今プロジェクトには、「ブンミおじさんの森」が第63回カンヌ映画祭パルムドールを受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクン監督をはじめ、ギャスパー・ノエ監督、ビンセント・ギャロ監督、カルロス・レイガダス監督、ナビエ・アユチ監督、アマト・エスカランテ監督、フェルナンド・エインビッケ監督ら、そうそうたる面々が参加。それだけに、ヤン監督は「世界的な監督の作品を一度に見られる機会は貴重ですよね。参加できたことは素晴らしいこと」とほほ笑んだ。

息もできない」で知られるヤン監督は俳優出身ということもあり、「中学生円山」「かぞくのくに」など日本映画に出演している。日本の映画人たちと交流を重ねたことで、心境に変化もあったようで「僕は立派な人間ではない」と前置きし、「会社対会社、国対国として仲良くなろうとすると妨げられることもあるかもしれない。でも、個人対個人でより良い関係を築けたらいいという気持ちが、この5年間で芽生えてきた」と告白。そして、「韓国はキムチだけじゃない。日本はラーメンだけじゃない。そのほかにあるものを、互いに探しあえる関係でありたいですね」と訴えた。

さぬき映画祭2015は、2月22日まで。

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