J・チャステイン&J・マカボイがすれ違うカップルに「ラブストーリーズ」監督に聞く
2015年2月13日 13:15
[映画.com ニュース]ジェシカ・チャステインとジェームズ・マカボイが演じるカップルの物語を、男性側と女性側それぞれの視点から描いた2作品「ラブストーリーズ コナーの涙」「ラブストーリーズ エリナーの愛情」が2月14日公開する。本作が長編初作品となるネッド・ベンソン監督が作品を語った。
ニューヨークに住むエリナーとコナーは、子どもを失ったことで結婚生活を解消し、新しい人生を歩み始める。むなしさを感じながら日々を生きる2人が、新たなに道向かって再生していく過程や、同じものを求めながらもすれ違ってしまう心の機微を描き出す。
男女それぞれの視点で描くというユニークな手法を用いた作品を作ろうと思ったきっかけは「関係性の中にある愛情というものを探求してみたいと思ったのです。二人が、同じ出来事に対してどれくらい違った体験をするものか、その主観性に興味がありました。もっと大きく、同じ物語を僕たちはどれくらい違ったものとして体験するか、同じ瞬間でもどんな風にそれぞれが感じるのか、どれだけ違うのか、その主観性を探求してみたかった。それにはカップルのそれぞれの側からのラブストーリーを書く以上にいい方法があるだろうか。その方が一つの視点で捉えるよりずっと誠実に思えました」
チャスティンは初期段階からこの映画に関わっているが、ふたりはチャスティンが無名だった頃に知り合い、恋人同士だったこともあるそうだ。「ジェスに会ったのはもう10年前になります。ある映画祭で短編を上映したのですが、観客は12人しかおらず、上映後、ロビーである女の子が駆け寄ってきて、『私はあなたと仕事がしたい』と言うのです。この女の子がジェシカだったのです。彼女はジュリアード音楽院を卒業したばかりで、女優になるためロスに移住したところでした。彼女は私の最初のファンで、ずっと私を信頼し続けてくれたのです。このことに私は大変感謝しています。このことがなかったら、この企画を実現できたかどうか分かりません。私たちは親しい友人となり、この2本で一つの映画企画を、彼女と一緒に、彼女のために進めたのです。人生とは面白いものです」と振り返る。
監督にとって本作は「これは、愛についての映画であり、いかに人生が主観的なものなのか、についての映画」だと説明する。「私たちはこの一つの物語を生きていますが、私たちの人生の一部である他の人々はみな、彼ら自身の微妙に違う、あるいは大いに違う視点を持っています。私が描きたかったのは、二人の人物、コナーとエリナーのラブストーリーであり、彼らは何か困難を乗り越えた後、どうすればお互いを理解できるのか探し求めています。だから本質的にこれは愛の試練、共感、理解、視点に関する物語なのです」といい、「私は観客の皆さんに、このキャラクター、物語の中に、自分自身、自分の身の回りの人々との関係を見て取って欲しいのです」と呼びかけた。
「ラブストーリーズ コナーの涙」「ラブストーリーズ エリナーの愛情」は、2月14日から東京・ヒューマンストラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国で順次公開。