アミューズがソフト子会社を吸収合併、市場規模縮小進む
2015年1月24日 07:00
[映画.com ニュース] 福山雅治、佐藤健、深津絵里らが所属する総合エンタテインメント企業アミューズは、全額出資の連結子会社であるアミューズソフトエンタテインメント(ASE)を3月1日付で吸収合併することを、1月20日開催の取締役会で決議した。
ASEは、アミューズグループの映像コンテンツ事業の中核を担い、映画の配給やDVDの制作・販売を手がけてきた。アミューズ所属アーティスト出演の映像作品や音楽作品の制作からパッケージまで一貫したビジネスモデルでシェアを高め、厳しい状況が続いているパッケージ市場環境の中で財務体質の改善を行ってきた。
それにもかかわらず、さらなる市場規模の縮小が進んだことから、アミューズを存続会社とする吸収合併を行い、ASEを解散することを決断。一体化することでさらなる効率化、事業の迅速化を行い、グループ全体のメディアビジュアル事業の再構築・強化を図ろうというもの。これによりASEの債務超過は解消される。
ASEは、昨年大ヒットした映画「永遠の0」や「カノジョは嘘を愛しすぎてる」「るろうに剣心 京都大火編」「るろうに剣心 伝説の最期編」といった強力なタイトルのブルーレイ、DVDを販売しているが、日本映像ソフト協会の発表によると、昨年のビデオメーカー出荷売上は、昨年11月時点で前年比5%強のマイナスとなっており、映像ソフト業界を取り巻く環境は大きく変化している。
市場を再び拡大するためには、映像配信事業からの収益を拡大していくことが課題となっており、インターネットを通じてPCやスマートフォン、その他のデバイスへいかにして多種多様なコンテンツを提供していけるのかが鍵になる。
今回のアミューズによる子会社ASEの吸収合併は、そういった流れに対応するための象徴的な動きのひとつということができよう。